著者
野上 道男
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.23-29, 1999-01-01
被引用文献数
17

北海道を除く日本列島全域について,50m-DEMから250mメッシュごとの地形特性値(高度,険しさ,凸斜面率)を計算し,それと250m解像度の地質データをクロス集計して,地質と地形特性の関係を明らかにした.地形特性値は,地形を作る地質の時代にっれて完新世から新第三紀へと変化するが,その傾向は古第三紀で中断する.このことは,現在の地形を作る隆起運動が古第三紀直後に始まり現在まで続いていることを意味する.<br> 中生代・古生代の地層を刻んで形成されている現在の山地地形の地形特性は地層の時代との相関が薄い.このことは低地に堆積した状態を初期条件として,それが隆起しっっ谷が刻まれることで山地地形が形成されるという地形発達史を考えるとき,初期条件の影響を受けるステージがすでに過ぎていることを意味しているので,日本列島の山地地形は理論的には地層の侵食されやすさ(相対的な岩石特性)と隆起速度で決まる定常状態に近づいているか,すでに達していると解釈される.

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こんな論文どうですか? 50 m-DEMによる地形計測値と地質の関係(野上 道男),1999 http://t.co/1iH4l3SK9L 北海道を除く日本列島全域について,50m-DEMから250mメッシュ…
こんな論文どうですか? 50 m-DEMによる地形計測値と地質の関係(野上 道男),1999 http://t.co/1iH4l3SK9L 北海道を除く日本列島全域について,50m-DEMから250mメッシュ…

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