著者
新本 修一 林 泰生 土山 智邦 小林 泰三 片山 寛次 広瀬 和郎 山口 明夫 中川原 儀三
出版者
Japan Biliary Association
雑誌
胆道 = Journal of Japan Biliary Association (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.245-252, 1996-07-25
参考文献数
13

悪性胆道閉塞26例にstentによる27回の内瘻化を施行した.使用stentは12Frのtube stentと,expandable metallic stentのうちZ-stent,Strecker stent,Wallstentである.Wallstentは肝内胆管から総胆管まで屈曲した走向でのstent,胆管と十二指腸の間のstent,Z-stent閉塞に対するstent in stentに使用した.stentの種類と留置場所により再閉塞や感染等の成績を比較した.24例(88.9%)で外瘻tubeを抜去でき,22例(91.7%)が退院できた.8例が1~24カ月間無黄疸で生存中で,9例が2~15カ月後に無黄疸で原病死した.再閉塞や感染は7例(29.2%)に認められ,胆管と消化管との間のstentに多く認められた.stentの種類別では,tube stentの50%とStreckerの33.3%に認めWallstentでは11.1%と有意に少なかった.悪性胆道閉塞の内瘻化に,屈曲した走向での留置や下部胆管閉塞の内瘻化にも適応でき再閉塞や感染が少ないWallstentは有用と思われた.

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