著者
本堂 毅 坂田 泰啓 小林 泰三
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.537-541, 2008-07-05

本堂は2002年,初等的な理論計算で,日常環境中のマイクロ波被曝レベルが現行の推定に比べ数桁高くなりうることを示し,受動被曝の問題を指摘した.今回,実験と数値シミュレーションでその理論計算を確認し,空間的に局在した強い曝露領域(ホットスポット)が存在することを明らかにした.本稿では,研究の背景と実験結果,数値新算上の課題を記し,環境科学と基礎物理学の関係および物理学の社会的役割について考えてみたい.
著者
伊藤 泰典 高橋 公也 宮本 真孝 高見 利也 小林 泰三 西田 晃 青柳 睦
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-89, no.17, pp.1-6, 2011-02-04

圧縮流体の解析ツールである Large Eddy Simulation(LES) を用いて、2 次元、および 3 次元エッジトーンのシミュレーションを行った。Lighthill の音源分布を計算し、渦度分布と音源の関係を考察した。
著者
森江 善之 南里 豪志 安島 雄一郎 本田 宏明 曽我 武史 小林 泰三 住元 真司
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2015-HPC-148, no.33, pp.1-6, 2015-02-23

ACE (Advanced Communication for Exa) プロジェクトでは,省メモリかつ低遅延な低レベル通信ライブラリ ACP (Advanced Communication Primitives) の開発を実施している.今回は,HPC 分野で幅広く利用される InfiniBand を用いて,ACP 基本層を実装した.InfiniBand での ACP 基本層の実装方法の報告を行う.また,実装した ACP 基本層のメモリ使用量と通信性能の評価を行った.今回の評価では, InfiniBand の接続資源がメモリ使用量の多く占めることがわかった.また,初期実装の段階で中メッセージサイズ以上で Open MPI と同等の通信性能を示し,最大 20%の性能向上を示した.また,小メッセージサイズでの通信性能の問題を確認することが出来た.
著者
新本 修一 林 泰生 土山 智邦 小林 泰三 片山 寛次 広瀬 和郎 山口 明夫 中川原 儀三
出版者
Japan Biliary Association
雑誌
胆道 = Journal of Japan Biliary Association (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.245-252, 1996-07-25
参考文献数
13

悪性胆道閉塞26例にstentによる27回の内瘻化を施行した.使用stentは12Frのtube stentと,expandable metallic stentのうちZ-stent,Strecker stent,Wallstentである.Wallstentは肝内胆管から総胆管まで屈曲した走向でのstent,胆管と十二指腸の間のstent,Z-stent閉塞に対するstent in stentに使用した.stentの種類と留置場所により再閉塞や感染等の成績を比較した.24例(88.9%)で外瘻tubeを抜去でき,22例(91.7%)が退院できた.8例が1~24カ月間無黄疸で生存中で,9例が2~15カ月後に無黄疸で原病死した.再閉塞や感染は7例(29.2%)に認められ,胆管と消化管との間のstentに多く認められた.stentの種類別では,tube stentの50%とStreckerの33.3%に認めWallstentでは11.1%と有意に少なかった.悪性胆道閉塞の内瘻化に,屈曲した走向での留置や下部胆管閉塞の内瘻化にも適応でき再閉塞や感染が少ないWallstentは有用と思われた.
著者
大嶺 聖 安福 規之 宮脇 健太郎 小林 泰三 湯 怡新 TANG Yixin 山田 正太郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

建設発生土や廃棄物をリサイクルする場合には,実際の建設にかかる費用だけでなく環境負荷に関する影響も考慮することが望ましい。また,各種リサイクル材に対して,材料作製に伴う環境負荷および廃棄物削減に伴うメリットを何らかの数値として算出し,環境負荷低減効果を表すための評価手法を構築する必要がある。本研究では,有害物質の溶出抑制効果を持つ混合地盤材料の開発を行うとともに,リサイクル材を用いる場合の環境負荷の低減効果を定量的に表す手法を提示した。廃棄物の有効利用法として,バイオマスの炭化物としての活用および都市ごみ焼却灰の地盤材料としての有効利用を例に,再資源化の効率について考察を行った。得られた結論は以下のとおりである。1)都市ゴミ焼却灰に炭化物を混合することでの重金属溶出が抑制される。また、木炭を混合しても,都市ゴミ焼却灰と同様の透水性および圧縮性を有し,力学的にも地盤材料として活用できると考えられる。2)炭化物の吸水性によってセメント安定処理土中の水セメント比を低下させ,強度が増加する。また,セメント安定処理土からの溶出が懸念されている六価クロムの溶出量を木炭混合によってある程度抑制することができる。3)刈草炭化物を混合することで、いずれの火山灰質粘性土についても強度改善効果が認められた。生石灰と刈草炭化物を質量比1:1で混合すると,生石灰添加量を軽減できるなど効果が大きい。4)都市ごみ炭化物を最終処分場における覆土材として利用した場合,廃棄物層から溶出される重金属や無機塩類等陽イオンに対する吸着効果が発揮されるため,浸出水質の早期安定化が期待される。5)リサイクル材の製造工程におけるCO_2排出量と廃棄物の活用に伴うCO2削減量を算定し,再資源化効率の評価法を示した。その結果,製造時のCO_2排出量が小さく,多くの廃棄物を使用している材料ほど再資源化効率が高いことが示された。