著者
石澤 孝
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 = Quarterly journal of geography (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.129-138, 2002-08-26
参考文献数
16

本研究は, 冬季オリンピックの開催にともなう長野市の都市化の現状を, 特に農地の公的転用という観点から検討したものである。その結果は以下のようにまとめられる。<br>第18回冬季オリンピックが, 1998年2月に長野市で開催された。国際オリンピック委員会が冬季オリンピックを長野市で開催することを決定したのは, 1991年のことである。それ以降長野市においては, 新幹線の開業や上信越自動車の建設などの高速交通網の整備が行われた。また, オリンピック施設やアクセス道路およびその付帯施設が建設されるなど, 都市的基盤の整備が進められた。これらの都市的基盤の建設用地の多くは, 農地の転用, 特に農用地区域における農地転用によって生み出された。その結果, 1989年約25,000haあった農業振興地域は1998年までに1%の減少にとどまったのに対し, 1989年に7,700haあった農用地区域は, 同期間に5%近い減少をみせている。このように急速な農用地区域の解除が行われたため, 今後は, 特に農用地区域の解除をともなう都市基盤の整備は難しくなると推察される。

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