著者
茂木 伸夫 藤野 典子
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.230-235, 2001-08-27
参考文献数
20

都立駒込病院は, 1879年, 当時人類の脅威であった伝染病の病院として創設された経緯があり, 当歯科も長い間, 感染症患者の診療を行ってきたが, 診療時における感染予防対策として, 様々な工夫, 改良を重ね, 現在の診療体系を構築してきたので, その具体的な方法を報告する.<BR>当科では歯科医師, 歯科衛生士各3名 (非常勤も含む), 歯科技工士1名という限られたスタッフのため, 感染症患者の歯科診療は, 院内感染防止上, 診療日, 診療時間を一般患者と分けている.感染症診療日は, 設備面として診療台はビニールや滅菌シーツの利用, ディスポーザブル製品の使用を積極的に奨めている.<BR>具体例として (1) 診療台の椅子やテーブル, ライトなどは市販のビニール袋やディスポーザブルのシーツ, エプロン, 手術用キャップなどを利用してカバーする.(2) タービンヘッド, バキュウムのホースは筒状のビニールでカバーする.(3) 印象物は, ビニール袋の中に入れて, 技工室に運ぶなどである.<BR>これらの対策の実施により, B型肝炎陽性患者 (歯科感染外来の開始) の治療を初めた1981年来, 感染事故は1例も起きていない.

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