1 0 0 0 OA 抗酸菌

著者
古谷 信彦 舘田 一博
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.Supplement, pp.49-52, 2000-05-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
8

抗酸菌, なかでも結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) は1950年代までは罹患率, 死亡率とも高く, 死の病として恐れられていた. その後, 抗結核薬の登場や生活環境の改善に伴い罹患率, 死亡率は飛躍的に低下したが, 1980年代に入ってからその低下率に翳りがみえている. またそれに伴い病院内における集団感染例も増加してきている. 本菌の感染経路は空気感染であり, 感染の危険性は空気中に存在する結核菌含有飛沫核の濃度と, その空気に暴露される時間に依存して高くなる. 結核菌は初感染後, 初期変化群を形成するが, この初期変化群から引き続いて一次結核症に進展するものは感染例の5%にすぎない. 残りは発病に至らないが全身の諸臓器に持続感染し, 長時間を経てから二次結核症として発病する.
著者
岡田 淳
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.Supplement, pp.13-18, 2000-05-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
7

適切な病院感染対策を行うには, 微生物に対する正しい知識を持つことが不可欠である. 本項では, 基礎的な観点から微生物の分類, 弱毒菌と強毒菌, 病院感染を起こす代表的な微生物について記載した.微生物の分類については, 生物分類における寄生虫および微生物の位置と命名法について記載した.弱毒菌と強毒菌については, 感染性の概念, 感染症成立の要因およびバイオハザードについて解説した. 病院感染の対象となる微生物の多くは, バイオハザードの分類ではレベル1, 2の弱毒性の微生物であり, その多くは生体に生息する常在菌叢である. バイオハザードの基準, 常在菌の分布について知ることは病院感染対策上大切である.病院感染を起こす代表的な微生物については, 感染源からの分類, 感染経路による分類, 微生物の種類別の分類について記載した. 現在病院感染対策として重視されているのは感染経路対策であり, 接触感染, 飛沫感染, 空気感染を起こす微生物を認識し, それぞれに応じた対策を講じることが肝要である.