著者
古田 雅一 浜崎 宏治 Wirkner Sandra CONSTANTINOIU Elena 高橋 克忠 林 壽郎
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 = Food irradiation, Japan (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.24-28, 2002-09-30
被引用文献数
2

食品には大腸菌群、細菌を中心とした一般生菌、カビ、酵母など多種多様な微生物汚染を受ける可能性があり、これらの中で病原性のある食中毒菌を殺菌するためにγ線、電子線を用いた放射線殺菌がすでに世界各地で実用化されている。例えば香辛料の照射は100000トンに達し、米国においては2000年5月以来γ線、電子線を用いた冷凍牛肉パテ(ハンバーガー用)の実用照射が開始されている。さらにわが国においても香辛料照射の許可申請が成されている。しかしながら、食品の汚染微生物の放射線感受性は多様であり、また照射後の食品からこれらの微生物を抽出する際の効率など、許可された線領域において個々の食品の汚染度に見合った適切な殺菌線量を決定するのは汚染菌の種類や量が比較的少ない医療用具に比べて困難であることが予想される。我々は微生物が増殖する際、発生する微少な熱量を試料24個の同時計測が可能な高感度の熱測定装置で検出し、(60)COガンマ線照射後の酵母、大腸菌、芽胞の増殖パターンを図式化した。その結果、放射線量を増加させた場合、比較的低線量の場合には増殖時の熱発生のパターンは変化せず、増殖開始時間の遅れ(ta(i))が増大する。すなわち放射線の効果が殺菌的に働いていること、また高線量になるに従って増殖開始後の熱発生量増加の度合い(増殖速度定数:μi)が減少する、すなわち静菌的な効果も同時に現れる。

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