- 著者
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宮原 誠
- 出版者
- 日本食品照射研究協議会
- 雑誌
- 食品照射 = Food irradiation, Japan (ISSN:03871975)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.1, pp.29-47, 2002-09-30
- 被引用文献数
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5
1
2001年の本誌に同年3月にフランスのアビニオンで開かれた第12回国際放射線プロセスシンポジュウム(12IMRP)等の討議の報告を行い、また他誌にも総説を書いた。ここでは今までの検知法開発の歴史を振り返りつつ、1994年のADMIT(Analytical Detection Methods for Irradiation Treatment of Foods)以降、現在の検知について述べる。今回は検知法入門を兼ねて、そもそもなぜ検知法が必要なのかと言う議論を最初に行う。ある専門紙に"照射で有害な物質ができるとする科学者もいるので、照射食品の正しい表示が求められている"という意見が掲載されていた。現在このような考え方は一般的ではない。検知法の必要性は照射食品の安全性と大きな関わり合いを持つもので極めて重要である。検知法開発の歴史は古く、1960年代にはその端緒がはじまり、一時下火になったものの、1990年前半には、IAEA主導のもと盛んに研究が行われ、現在のような形の検知法が成立した。