著者
古田 雅一 伊藤 憲男
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.43-46, 2013-09-30 (Released:2014-04-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
伊藤 均 Harsojo
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1-2, pp.29-32, 1998-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Escherichia coli O157: H7 is a rapidly emerging food-born pathogen which has been linked to outbreaks of hemorrhagic diarrhea in Japan, USA or many European countries. From this study, two strains of E. coli O157: H7 were isolated from beef and chicken meats in each one sample of 4 replicates. Some of the biochemical characteristics of these isolates were different from type strain IID959. These isolates could grow quickly at 10°C on cultivation of nutrient agar. D10 value of these isolates were obtained to be 0.06kGy in 0.067M phosphate buffer suspension which were highly sensitive than D10 value of 0.12kGy on type strain IID959. On the irradiation effect of type strain IID959 in ground beef, D10 value was obtained as 0.26kGy at fresh condition and 0.46kGy at frozen condition, respectively. From these results, necessary dose for elimination of E.coli O157: H7 was decided as 1.5kGy for fresh meats and 3kGy for frozen meats.
著者
内海 和久
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1-2, pp.73-79, 2003-09-30 (Released:2010-06-28)
被引用文献数
2 1
著者
梅田 圭司 川嶋 浩二 佐藤 友太郎 伊庭 慶昭 西浦 昌男
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.91-100, 1969-06-30 (Released:2011-07-04)
参考文献数
11
被引用文献数
3 2

(1)緑かびの胞子をミカンの果皮に接種して, 5℃に貯蔵後,1MeVの電子線で処理すると, 電子線照射前の貯蔵期間が長いほど殺菌効果は小さくなる。(2)電子線照射線量が高くなると,果皮の軟化,油胞陥没が起こり, これに伴い褐色の斑点が発生し果皮の褐変化が起きる。この油胞陥没から褐変までの現象は, 収穫から照射処理までの経過時間が短いほど発生しやすい。(3)電子線照射による軟化→油胞陥没→褐変といった果皮の放射線障害は照射後の常温貯蔵によって促進され, 3~5℃の低温貯蔵で抑制される。また電子線処理前のキュアリング(予措)は放射線障害の発生に抑制効果はない。(4)ミカン果皮の表面殺菌に, 0.5MeVの電子線は,1MeVの電子線と同様な殺菌効果を示し, 0.5~1.0MeVのエネルギーでは差がなかった。1MeVの電子線と60Coのγ 線を比較すると, 殺菌効果は同程度であるが, γ線処理では50Kradの低線量でオフフレーバーが発生し,電子線では250Kradまで外観,食味はなんら悪影響を与えない。(5)長期貯蔵後の電子線処理ミカンの成分と, 未照射試料との間に差はなかった。また貯蔵後の官能検査では, 照射処理によってフレーバーが劣化した例はなく, 逆に100~300Kradでは未照射区よりも高いスコアーを示した。
著者
千葉 悦子 飯塚 友子 市川 まりこ 鵜飼 光子 菊地 正博 小林 泰彦
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.23-36, 2016 (Released:2017-03-01)
参考文献数
11

「香辛料は,照射殺菌に比べて過熱水蒸気殺菌では香りが減少し色調が変化する」ことを,官能検査により種々の条件で確かめた。加熱調理のカレーであっても,照射殺菌品は過熱水蒸気殺菌品より「試食前の香り」や「試食しての辛味」が統計的な有意差を伴い強かった。料理でなく香辛料自体で比較し,赤唐辛子,白・黒コショウは,照射殺菌品の方が,風味や辛味がより強い傾向であった。さらに,赤唐辛子やターメリックの過熱水蒸気殺菌品は,未処理品との色の違いが非常に大きく,照射品は小さかった。そこで,色と風味の比較を2次元マップに表すと,照射品は未処理品に近いことが一目瞭然で,放射線殺菌の長所が納得しやすく,リスクコミュニケーション推進に効果的であると分かった。また,香辛料は水に浮沈するので,香辛料の量を厳密に揃える比較には,香辛料の分散が必要と分かった。それには,ポタージュや介護用とろみ剤が有効であろう。とろみ剤を水に溶かして香辛料を分散させると,白コショウの辛味は,統計的な有意差を伴い,照射殺菌品の方が過熱水蒸気殺菌品より強かった。ただし,照射品の風味の方が好まれるとは限らず,風味は強弱だけでなく質的な違いも感知される場合があると考えられた。
著者
全日本スパイス協会
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1-2, pp.49-61, 2001-09-30 (Released:2010-06-28)

香辛料の微生物による汚染の低減化を目的とする放射線照射の適用のために,食品衛生法第7条基準,規格に合わない食品又は,添加物の製造等の禁止,第1項に基づく告示食品,添加物等の規格基準第1食品のB食品一般の製造,加工および調理基準の1放射線照射の原則禁止とその例外許可に準拠して,D各条に“香辛料”の項を追加されると共に,仮称“香辛料の加工基準 (放射線処理) ”を定められるよう要請いたします。なお,“香辛料の定義 (仮称) ”と“香辛料の加工基準 (放射線処理) ”についての試案を要請内容の概要にまとめ,また,許可要請の背景・理由等の概要説明並びに放射線照射処理に係わる詳細説明と合わせて添付いたしますので,よろしくご検討くださいますようお願い申し上げます。
著者
高谷 保行 伊藤 均
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1-2, pp.23-29, 1999-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

Weeds of foreign origin have been invaded through imported maize or dried grass which using for animal feeds, and causing serious damages to agricultural crops and farm animals in Japan. These weeds are spreading mainly through animal feeds to feces. For the purpose to decrease the damage from these weeds, we investigated the gamma-irradiation effect on 7 species of the weed seed to suppress the germination or elongation of stem and root. After the irradiation of the weed seeds, all species kept the ability of germination even at 4 kGy in petri dish cultivation, whereas decreased the germination ratio in some species. However, many species of weed decreased the ability on elongation of stem or root below 1 kGy irradiation. Furthermore, all of species lost the ability on the development of root hair and appearance of first leaf after germination of seeds below 1 kGy irradiation. From this study, necessary dose for growth inhibition was estimated to be 1 kGy which should be able to apply with combination treatment of the animal feeds for elimination of pathogenic bacteria such as salmonellae at 3 to 5 kGy irradiation.
著者
WOON Jae-Ho 伊藤 均 多田 幹郎
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1-2, pp.1-3, 2007-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
3

Threshhold dose for organoleptic changes by gamma irradiation in shell eggs is at 0.5 kGy, whereas frozen egg products is at 2.4 kGy and dehydrated egg products is at 3 kGy respectively. For the elimination of Salmonella, necessary dose is estimated to be 1 kGy for shell eggs and to be 2 kGy for dehydrated egg products from survival fraction of S. Typhimurium or S. Enteritidis. Contamination of Salmonella occur significantly in liquid egg products and for the reason of threshhold dose of organoleptic changes, irradiation treatment should be applied to dehydrated condition with 2-3 kGy.
著者
久米 民和
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-2, pp.46-54, 2008-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1 3
著者
久米 民和
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.29-36, 2012
被引用文献数
2 1

アジアにおける最新の食品照射に関わる動向について述べた。2010年のアジアにおける食品照射処理量は28万5千トンで、国別では中国が20万トン、ベトナムの6万6千トンが特に多く、2005年の18万3千トンより10万トン以上増加し、中国とベトナムで五万トンずつ増えている。逆に日本や韓国ではその処理量は減少している。アジアの食品照射処理量は世界の半分近くを占め、スパイスの殺菌、穀物・果実の殺虫、肉・魚介類の殺菌、発芽防止など積極的に展開されている。また、進展著しいベトナムの食品照射用施設の建設状況について詳しく紹介した
著者
奥 忠武
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1-2, pp.1-4, 1985-09-30 (Released:2011-07-04)
参考文献数
9

魚貝類のエキスは濃縮され,その一部は調味液として利用されているが,いわゆる魚臭という点で問題がある。とくに赤身魚肉は特有の臭をもつものが多い。魚臭は主に揮発性化合物に起因すると考えられている。また,フィシュミールでは,製造時に濃縮のための加熱に長時間を要するといわれる。魚貝肉エキスの味は,微量成分のアミノ酸,核酸,低級有機酸,塩類などによるといわれている。魚肉や畜肉に10kGy(Mrad)の高い線量の照射処理を行った場合には,異臭が生ずることはすでに多数の報告があり,最近総説も出されている。本報告では,マイワシエキスに2.5kGyまでの低線量照射を行った場合のエキスの風味と微量成分の変化について,非照射の場合と比較した。その結果について報告する。
著者
北島 葉子 高尾 奈津子 橋本 香織 多田 幹郎
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.8-12, 2011

食品着色料ベニバナ黄色素系の調製原材料であるベニバナ花弁に放射線(ガンマー線及び高エネルギー電子線)を5,10,30kGy照射して,ベニバナ黄色素の抽出効率ならびに色素組成への影響を検討して以下の結果を得た。 1)試料への放射線照射によって色素抽出量が増大することが認められた。ガンマー線照射の場合は,5kGy及び10kGyの照射で,それぞれ,10%,15%の増大が認められたが,30kGyの照射では非照射試料より5%減少した。また,電子線照射の場合は,5kGy及び10kGy照射で,それぞれ4%,9%の増大が認められたが,30kGyでの増大は微少であった。 2)照射試料からの抽出液の吸収スペクトルは,いずれも非照射試料からの抽出液のスペクトルと同一であり,照射によって色素組成の変化は生じないことを示した。 しかし,30kGyの照射で色素抽出効率は低下したことから,高線量の照射は色素分子の発色団の分解が起こることが推察される。 3)放射線照射による殺菌効果は,5kGy以上の線量で殺菌が可能であることを確認した。
著者
伊藤 均
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1-2, pp.9-13, 2006-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1

More than 80% of food poisoning bacteria such asSalmonellaare reported as antibiotic-resistant to at least one type antibiotic, and more than 50% as resistant to two or more. For the decontamination of food poisoning bacteria in foods, radiation resistibility on drug-resistant bacteria were investigated compared with drug-sensitive bacteria. Possibility on induction of drugresistant mutation by radiation treatment was also investigated. For these studies, type strains ofEscherichia coliS2, Salmonella enteritidisYK-2 and Staphylococcus aureusH12 were used to induce drug-resistant strains with penicillin G. From the study of radiation sensitivity on the drug-resistant strain induced fromE. coliS2, D10value was obtained to be 0.20 kGy compared with 0.25 kGy at parent strain. OnS. enteritidisYK-2, D10value was obtained to be 0.14 kGy at drug-resistant strain compared with 0.16 kGy at parent strain. D10value was also obtained to be 0.15 kGy at drug-resistant strain compared with 0.21 kGy at parent strain ofSt. aureusH12. Many isolates ofE. coli0157: H7 or other type ofE. colifrom meats such as beef were resistant to penicillin G, and looked to be no relationship on radiation resistivities between drug-resistant strains and sensitive strains. On the study of radiation sensitivity onE. coliS2 at plate agars containing antibiotics, higher survival fractions were obtained at higher doses compared with normal plate agar. The reason of higher survival fractions at higher doses on plate agar containing antibiotics should be recovery of high rate of injured cells by the relay of cell division, and drug-resistant strains by mutation are hardly induced by irradiation.
著者
菊地 正博
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.3-10, 2016

<p>放射線の高い透過性を利用すると,牛レバーを包装後に生のままで安全に殺菌できると考えられる。これまでに冷蔵状態の照射牛生レバー中のラジカルを電子スピン共鳴法で検出できた。しかし,実用的には冷凍状態で照射されることが考えられるので,照射された冷凍牛生レバーについて様々な試料調製法を用いてラジカル検出を試みた。予めストローに牛生レバーを詰めて照射した試料のESRスペクトルと,単独で照射したストローのESRスペクトルの差スペクトルから照射応答するピークが見出された。一方,冷凍牛レバーのみを試料管に挿入してESR測定したところ,メインピークとその低磁場側と高磁場側に存在するサイドピークを検出でき,ほぼ直線的な線量応答が確認できた。牛生レバーの凍結乾燥粉末のESR測定ではサイドピークが消失し,ショルダーピークに変化が見られた。冷凍状態で照射した牛生レバーのラジカルが冷凍保存後でも検出可能であるか確認するため,照射後7日間,冷凍保存した牛レバーを流水解凍して検体を作製してESR測定した。その結果,照射誘導ラジカルが検出可能であることが明らかとなり,線量応答性も確認できた。したがって,ESR法は冷凍状態で照射された牛生レバーに対して照射の有無を判別する検知法として利用可能と考えられる。液体窒素温度でのESR法は,牛レバーの解凍から測定まで短時間で実施可能なのでスクリーニング法として有用と考えられる。</p>