著者
甲原 玄秋 佐藤 研一
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.696-701, 1998-09-25
参考文献数
13

千葉県こども病院集中治療室で加療中であった3名の意識障害患児における下唇と舌にみられた自己咬傷の治療を行った。<BR>第1症例は15歳の男児で糖尿病性ケトアシドーシスから昏睡状態になり,反射的にまた不随意運動により下唇を噛んだことから潰瘍を形成していた。即時重合レジンを用い上顎臼歯咬合面で咬合を挙上し,口蓋を覆うスプリントを作製した。作業用模型から装置をとり易くするためリリーフワックスを使用し,装着時に粘膜組織調整材(ハイドロキャスト&reg;)でそのスペースを満たした。装置の前方には小孔をあけ細い鋼線をつけ,誤嚥防止のためそれを口腔外に出した。スプリントは患児の口腔の不随意な筋活動が消失するまで37日間使用した。<BR>第2症例は6歳の水頭症の女児で重度の肺炎に罹患し,経鼻挿管下で治療を受けていた。患児の舌は浮腫のため腫脹し,潰瘍を認めた。バイトブロック様の可撤性装置をレジンで作製し,歯列の片側に装着することで前歯部の開口を得た。6日後には潰瘍は治癒し,浮腫も消失していたため装置を除去した。<BR>第3症例は心嚢切開術を受けた5歳の男児で,舌に浮腫と潰瘍を認めた。この症例でもバイトブロック様の装置を使った。19日後,傷が治癒したため装置を除去した。<BR>意識障害患児の舌,口唇に自傷行動による傷ができた際,その状態を把握し適切な装置を作製,装着することで歯を保存し,咬傷を治癒に導くことができる。

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