著者
丹沢 秀樹 佐藤 研一 熱田 藤雄 高原 正明
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995 (Released:1995-04-01)

口腔悪性腫瘍は多段階的に発癌すると考えられているが、具体的モデルは提唱されていない。大腸癌では遺伝子的発癌モデルのもとにAPC遺伝子による集団検診も検討されている。口腔癌発生の具体的遺伝子モデルを求めることができれば遺伝子的スクリーニングも可能と考えられる。この場合に使用する遺伝子の候補として、発癌過程の早期に異常を起こすと言われているAPC遺伝子は非常に有望と思われる。我々は既に、口腔癌においてAPC遺伝子異常を高率に報告し、腺癌の癌抑制遺伝子と考えられていたAPC遺伝子が、実は、口腔扁平上皮癌においても重要な役割を果たしている可能性を世界で初めて報告した。本研究において、(1)口腔悪性腫瘍の組織分化度とAPC遺伝子異常の関係、(2)口腔内腫瘍発生部位別のAPC遺伝子異常率、(3)前癌病変におけるAPC遺伝子異常の検出率等を調べた。その結果、APC遺伝子は(1)分化度の高い腫瘍におけるほうが分化度の低い腫瘍におけるよりもその異常率が高く、(2)口腔内のどの部位においても悪性腫瘍発生に関与している可能性があり、(3)前癌病変の代表である白板症においては約8%の異常が検出され、この異常率は推定される白板症の癌化率とほぼ一致していた。今後の課題としては、APC遺伝子異常が癌化の結果なのか原因なのかを考察するために、(1)APC遺伝子周囲のマイクロサテライト領域を調べる、(2)さらに多くの前癌病変を調べる、(3)口腔癌に伴った前癌病変を調べる等が考えられる。また、臨床診断への応用も試みる段階になってきたと考えている。
著者
佐藤 研一郎 小林 収
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1064, pp.46-53, 2000-10-30

問 日本の半導体産業が直面した大型不況を尻目に、2000年3月期には早々と最高益を更新し、2001年3月期は営業利益率40%に迫る。独り勝ちの原因はどこにありますか。 答 なぜロームが名も無い抵抗器メーカーから始まって、半導体の世界でここまで来ることができたのか。僕はよくみんなに、「魚屋さんになってくれ」って言ってるんです。
著者
梶原 景昭 望月 哲男 佐藤 研一 小山 皓一郎 天野 哲也 宮武 公夫 西部 忠 権 錫永 国広 ジョージ 越野 武
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

調査研究の結果、得られた知見は以下の通りである。1.「北方」を地理的に定義するのではなく、わが国との関わりを中心に文明論的に、そして近年の国際関係、地域連繋の点から定位すると、極東ロシア、北東アジア、中央アジアを含む、北西ユーラシアの拡がりに21世紀的な意味を見出すことができる(「北方」といえば北米、スカンディナヴィア、極北、ロシア北部等を含むが、ここでは上述の積極的な定義が重要である)。2.1で定めた「北方」地域に関しては、その大半が社会主義の洗礼を受けたことも含め、ロシア語、ロシア文明のきわめて強い影響下にある(学術制度から日常生活にも到る)。3.しかしながらこうした文明・文化の状況は現在あくまでグローバル化の渦中にあり、いわゆる従来のロシア文明ととらえることは妥当でない。4.中央アジア、極東ロシアにおける韓国の存在は極めて大きい。それに反し、歴史的にはさまざまな関わりがあるもののわが国の存在感は弱い。5.上述の域内でのヒト・モノの移動は想像以上に進行している(アゼルパイジャン、チェチェン人が極東ロシアに多数移住していること、またスターリン時代の強制移住による中央アジアの朝鮮人の存在など)。6.この地域を概観すると、周辺地域である日本、韓国などの相対的な経済先進地域が北方中心域に刺激を与えているようにみえるが、こうした経済的インパクトが社会変化を支配するところまではいっていない。7.ユーラシア鉄道計画等の北方地域に関わるプロジェクトに対し、日本の関心と関与が圧倒的に少ない。