著者
古山 周太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.913-918, 2004-10-25
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

本研究は、ハンセン病療養所が、都市や社会から、空間的に隔離された施設と位置づけられた側面を、療養所の立地論と実際の立地状況から明らかにするものである。結論として、前期の療養所論では、ハンセン病療養所は浮浪患者の救護収容のため、隔離性の低い場所への立地が想定されており、後期の療養所論では、逃走患者防止のため、絶海孤島への立地も提案されたが、主に患者への配慮から、その立地は、温暖な島嶼が想定された。ハンセン病療養所の立地空間の特徴をみると、1909年設置の療養所は、森林等の隔離性の低い場所へ立地する傾向が強く、1930年代以降に設置された療養所は山林や島嶼などへの隔離性の高い場所への立地がみられた。

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