著者
古山 周太郎 清水 春花
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.807, pp.1702-1710, 2023-05-01 (Released:2023-05-01)
参考文献数
6

This study investigated a non-profit housing support organization and aimed to clarify the actual situation and issues around efforts to prolong the residence of people who need special consideration to secure housing. The research method consisted of a questionnaire survey to 218 non-profit housing support organizations nationwide and an interview survey.In conclusion, the importance of comprehensive support by non-profit housing support organizations has become clear. Such comprehensive support measures included wide-ranging support initiatives, a support system involving various organizations and of different durations, and a support period that encompasses the time between moving in and moving out.
著者
古山 周太郎 奈良 朋彦 木村 直紀
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.361-366, 2012

本研究では、岩手県気仙郡住田町の3か所の応急仮設住宅団地を対象に、団地で実施されているコミュニティ支援活動の実態と、入居者のコミュニティ活動の状況や活動への評価を明らかにすることを目的とした。研究方法は、仮設支援協議会の各組織が実施している活動の日誌の分析と、入居者を対象としたアンケート調査分析である。研究の結論は次の通りである。まずコミュニティ支援活動は、多数の組織の連携により実施され、目的や支援組織のかかわりかたで9つに分類できた。その活動の傾向は時期によって変化している。活動に参加した程度は年齢によって差がみられた。仮設団地でのコミュニティ支援活動は住民から一定の評価を得ており、住民同士や支援者との交流機会の提供とともに、住民に気分転換等の精神的な効果を与えていた。
著者
古山 周太郎 和田 浩明
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.621-626, 2014
被引用文献数
2

本研究の目的は、実際に被災した山間地域を対象に、複数の集落における避難行動や災害対応の実態を把握することである。また、被災体験に基づく集落住民の防災意識をまとめている。研究対象地紀伊半島大水害で被災した五條市大塔町地区の集落とし、集落住民へのアンケート調査と、集落単位での防災地区懇談会で出された意見を分析した。その結果、被災地域の集落は、被災集落、避難集落、孤立集落、通常集落にわけられ、避難時には、行政や消防の支援の下、状況に対応しながら行動しており、避難しない集落でも、集落単位での安否確認や情報取得などに取り組んでおり、集落同士の協力関係もみられた。また、被災経験により災害に対する不安は高まり、早めの避難を意識する傾向がみられるが、孤立した経験をしていても自宅待機を望む住民もおり、体験の仕方によって防災意識に差が見られた。集落ごとの課題と対策においても、被災時の経験が影響しており、特に被災体験した集落では、直面した課題を現実的に捉えそれに対して実行的な対策を求めている。
著者
古山 周太郎 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.379-384, 1997-10-25 (Released:2018-05-01)
参考文献数
6

This study means to show the geographecal characteristics of mental hospitals' positions and their historical change. The way of study is to analyze the city area conditions of mental hospitals and their change in Tokyo. As a conclusion, mental hospitals are likely to be built in the outerskirts. Expectionally, they had been in the city area before 1920. Secondly, the hospital has been in the city area even if we have urbanization there. Thired, in each decade of these hosipals foundation in Tokyo, They have been classified into 4 types. As the times have gone by, they have moved to the west.
著者
古山 周太郎 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.31-36, 2000-10-25 (Released:2018-02-01)
参考文献数
6
被引用文献数
2

This study makes the actual management and conditions of local communication in the Group homes of mental disturbed persons clear. I surveyed these 57 Group homes in Tokyo by hearings and analyzed the surround area of these Group homes with maps. In conclusion, first, we can see they have various operating organizations and principals such as the law for Group homes hopes. And Group homes are the house where mental disturbed persons can live in the local community. Secondly, more than half of all Group homes did the local communication in their own local areas. And the surround area of group homes or the principals of their operating organizations influences the local communications.
著者
古山 周太郎 川澄 厚志 清野 隆 青柳 聡
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.901-906, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

本研究では、人的支援の先進的な事例である中越地域の地域復興支援員制度を対象に、活動日誌をもとに支援員の活動内容を整理することを第一の目的とした。さらに、活動量といった量的な視点から、その活動の傾向と推移を把握すると共に、住民、集落、地域といった支援対象と各種活動の関係をみて、今後の中山間地域の人的支援の取り組みのありかたについても検討を加えた。本研究で明らかになったのは以下の通りである。(1)支援員の活動内容は、観光交流活動、住民支援活動、集落再生支援から、情報発信や外部対応まで多岐にわたっており、活動量をみても特化したものはなかった。(2)各活動の量や内容は年次により変化しており、特に住民や集落との関わりが増加していた。人的な支援が時間の経過により推移している点が明らかになった。(3)観光交流活動や集落再生支援においては、支援員は主体的な役割と補完的な役割の双方を担っている。支援対象も住民個人から地域全体まで広がっており、活動の全般性と支援対象の重層性がその特徴であるといえる。
著者
古山 周太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.913-918, 2004-10-25
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

本研究は、ハンセン病療養所が、都市や社会から、空間的に隔離された施設と位置づけられた側面を、療養所の立地論と実際の立地状況から明らかにするものである。結論として、前期の療養所論では、ハンセン病療養所は浮浪患者の救護収容のため、隔離性の低い場所への立地が想定されており、後期の療養所論では、逃走患者防止のため、絶海孤島への立地も提案されたが、主に患者への配慮から、その立地は、温暖な島嶼が想定された。ハンセン病療養所の立地空間の特徴をみると、1909年設置の療養所は、森林等の隔離性の低い場所へ立地する傾向が強く、1930年代以降に設置された療養所は山林や島嶼などへの隔離性の高い場所への立地がみられた。
著者
古山 周太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第38回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.141, 2003 (Released:2003-12-11)

本研究は、明治・大正期において精神病院が都市的施設として位置付けられた側面を、その立地・配置論から明らかにすることを目的とする。本研究では、精神病院が医療的機能と社会的機能を持つことに着目し、この2つの機能との関係から立地・配置論をみる。それによって精神病院が都市的な施設と設定しうることを明らかにする。対象時期は、明治以降から1919年(T7)の精神病院法制定時までとする。研究の方法は、対象時期における精神医学関連の著作・論文や、法律制定時の議事録等の文献調査を主とする。論文の構成は、まず2章では精神病学教科書を対象とし精神病院の医療的機能を整理し、それらが収斂した精神病院モデルの立地論を取り上げる。3章では精神病学者の論説から精神病院の社会的機能と配置論をまとめ、4章では精神病院法制定時における精神病院の必要論と概要計画をみる。2章では精神病の病因論や治療法から精神病院の医療的機能をまとめ、立地論との関係をみる。さらに当代の精神病院論の集大成でもあり、欧州の影響も受けた、呉秀三の「精神病学集要 第二版」の第7巻治療通論中の精神病院に関する部分を詳細にとりあげる。資料は、対象時期に刊行された精神病教科書7冊を対象とし、社会的原因と都市環境を問題化した部分の引用、理学療法と精神療法、精神病院論部の引用をまとめた。3章では雑誌の掲載論文で精神病学者が主張した精神病院論をとりあげる。これらの論文では、著者は雑誌の社会影響力も考慮し、病院論を展開すると考えられる。対象論文は、当時の医学界で主要な論文誌であった国家医学会雑誌(国家医学)と医界時報に掲載された精神病院に関する論文と、呉秀三著作集に掲載された論文である。これらの論文は全て公立の精神病院の設置を求める内容であり、各精神病院論を、医療的理由、社会的理由、病院の立地論の3点に着目して整理した。4章では法制度制定の下での精神病院論をみるために、帝国議会での審議過程でみられた精神病院論に着目する。法案の提出理由から病院の必要性を整理し、審議過程での精神病院の機能や立地に関して議論の論点を整理する。なお対象とする資料は、精神病院法案について審議された貴族院の委員会の速記録である。5章では、以上のまとめとして次の3点が明らかになった。1)精神病院の医療的機能は、治療設備の完備、医師による管理、都市的環境からの隔離であった。呉の精神病院モデルは2種類の病院が想定され、分類の基準には都市と村落といった立地が重要な意味をもっていた。2)精神病院は、様々な社会的機能からも設置が要請された。特に公共的な施設として都市への立地が要請された。3)精神病院法審議過程での概要計画では社会的機能を果たすため、精神病院は人口規模により種別され、都市内で、環境が良好で利便的な立地が目指された。
著者
古山 周太郎 和田 浩明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.621-626, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
7
被引用文献数
3 2

本研究の目的は、実際に被災した山間地域を対象に、複数の集落における避難行動や災害対応の実態を把握することである。また、被災体験に基づく集落住民の防災意識をまとめている。研究対象地紀伊半島大水害で被災した五條市大塔町地区の集落とし、集落住民へのアンケート調査と、集落単位での防災地区懇談会で出された意見を分析した。その結果、被災地域の集落は、被災集落、避難集落、孤立集落、通常集落にわけられ、避難時には、行政や消防の支援の下、状況に対応しながら行動しており、避難しない集落でも、集落単位での安否確認や情報取得などに取り組んでおり、集落同士の協力関係もみられた。また、被災経験により災害に対する不安は高まり、早めの避難を意識する傾向がみられるが、孤立した経験をしていても自宅待機を望む住民もおり、体験の仕方によって防災意識に差が見られた。集落ごとの課題と対策においても、被災時の経験が影響しており、特に被災体験した集落では、直面した課題を現実的に捉えそれに対して実行的な対策を求めている。
著者
古山 周太郎 奈良 朋彦 木村 直紀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.361-366, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
5
被引用文献数
2

本研究では、岩手県気仙郡住田町の3か所の応急仮設住宅団地を対象に、団地で実施されているコミュニティ支援活動の実態と、入居者のコミュニティ活動の状況や活動への評価を明らかにすることを目的とした。研究方法は、仮設支援協議会の各組織が実施している活動の日誌の分析と、入居者を対象としたアンケート調査分析である。研究の結論は次の通りである。まずコミュニティ支援活動は、多数の組織の連携により実施され、目的や支援組織のかかわりかたで9つに分類できた。その活動の傾向は時期によって変化している。活動に参加した程度は年齢によって差がみられた。仮設団地でのコミュニティ支援活動は住民から一定の評価を得ており、住民同士や支援者との交流機会の提供とともに、住民に気分転換等の精神的な効果を与えていた。