- 著者
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菊入 圭
仲 信彦
大矢 智之
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
- 巻号頁・発行日
- vol.2005, no.66, pp.55-58, 2005-07-08
これからのモバイル通信は、通信速度の飛躍的な向上と、それによる従来にないリッチなコンテンツを利用できることが期待されている。本稿では、次世代の通信形態のひとつとして、モバイル立体音響通信について述べる。まずモバイル立体音響通信の主要なアプリケーションを紹介し、そのシステム構成を述べる。これらシステム構成の中で、最もモバイル通信に適していると思われるサーバ・レンダリング型システムの課題は、伝送レートの増大、再生される立体音場のユーザの動きへの追従が挙げられる。これらの課題を解決するため、パラメトリックステレオ符号化を用いたサーバ・レンダリング型システムを考え、クライアント側のデコーダにおけるローカル立体音響レンダリング方法を提案する。計算機シミュレーションにより、本提案方法で修正されたバイノーラル信号は、線形補間したHRTFを畳み込んで生成したバイノーラル信号とほぼ同程度の音響定位性能であることを確認した。This paper describes applications and audio signal processing technologies for mobile spatial audio communications,which will be one of the next generation mobile communications. The authors propose a local spatial audio rendering method for parametric stereo decoders. The proposed method enables server-side-rendering systems to follow user`s head moving faster. From computer simulation results,a binaural signal modified by the proposed localizes a sound image comparable to a binaural signal convolved with an interpolated HRTF..