- 著者
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中村 哲也
丸山 敦史
矢野 佑樹
- 出版者
- 富民協会
- 雑誌
- 農林業問題研究 (ISSN:03888525)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.1, pp.52-57, 2009-06-25
- 被引用文献数
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我が国におけるリンゴジュースの自由化は、1988年に農産物10品目の輸入自由化に関するGATT勧告を受諾し、その後の1990年から開始された。輸入枠があった自由化前の1987年の輸入量は僅か4,000tであったが、2006年には84,525tとなり、自由化後の輸入量は約21倍に急増している。他方、オレンジジュースも1992年に自由化されているが、1987年には8,500t、2006年には88,621tが輸入され、自由化後の輸入量は約10倍に急増している。オレンジジュースの輸入量と比較しても、リンゴジュースの輸入量が如何に拡大したかが分かる。そして、自由化開始以来、急増した米国産は、1997年には中国産にシェア第一位を、そして、2000年にはオーストリア産にもシェアを奪われ、2008年現在、輸入先国のシェア構成比も大きく変化している。他方、国内では2008年8月、青森県弘前市のリンゴ加工品製造・販売会社A社が、産地や加工法を偽装表示した飲料製品などを販売したとして、JAS法違反で業務改善が指示された事件は記憶に新しい。この事件は、リンゴジュースの自由化が開始以来、一般飲用と加工業務用の中国産濃縮還元ジュースを青森産ストレートジュースと不正表示した初めての事件であった。このように貿易自由化後に国内外で流通構造が変革したリンゴジュースの消費者選好構造について、本研究ではアンケートによるデータを用い分析する。