- 著者
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栗田 隆志
野田 崇
岡村 英夫
里見 和浩
清水 渉
須山 和弘
相原 直彦
鎌倉 史郎
安田 聡
- 出版者
- The Japanese Society of Electrocardiology
- 雑誌
- 心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.10-17, 2009-02-05
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
-
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ニフェカラント静注薬は我が国で開発された唯一の純粋なI<SUB>Kr</SUB>チャネル遮断薬であり,重症心室不整脈に対する高い抑制効果が示されている.特に急性冠症候群など冠動脈疾患に合併した難治性の心室頻拍・心室細動(VT/VF)に対しては,8割を超える患者において有効性が示された.また,拡張型心筋症など慢性的な病変によるVT/VFに対する効果は若干劣るものの,6割を超える効果が確認された.ニフェカラントに残された最大の問題は,過剰なQT延長によるtorsade de pointesの誘発であろう.この合併症を避けるためには推奨されているよりも少ない量(loadingは0.15~0.2mg/kg,維持量は0.2mg/kg/時)から投与を開始し,モニター心電図による継続した監視と12誘導心電図でのQT時間の観察が必須である.同薬剤の中止または減量の目安はQTc時間が550msecを超えた場合と考えられる.また,アミオダロン静注薬との使い分けや,経口薬への移行などについては今後に残された課題である.