著者
岡部 晋典 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.333-349, 2011-09-27
被引用文献数
2

本稿ではオープンアクセス運動の契機となったBudapest Open Access Initiative(BOAI)について分析し,これがどのような意図のもとで公開されたか調査した.まず,BOAIを提唱し,オープンアクセス運動を支援している財団であるOpen Society Institute(OSI)と,その設立者であるGeorge Sorosについて紹介し,彼らの思想的根拠であるKarl R. Popperの提唱した「開かれた社会」概念について概観した.また,BOAI中にその思想が影響していることを明らかにした.次に,オープンアクセス運動に関連する文献群中でのPopperおよび「開かれた社会」への言及状況とBOAIの受容状況の定量的計測から,オープンアクセス関係者の間での「開かれた社会」関連思想の認知状況を検討した.その結果,OSIは「開かれた社会」という政治思想の実現を目的にオープンアクセス運動に関与しているにもかかわらず,他のオープンアクセス運動関係者はこの思想の存在には言及していないことがあきらかになった.

言及状況

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[オープンアクセス][ICT][専門知]

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BOAIの背景にカール・ポパーがあるという話はこちらで触れられています> CiNii 論文 -  Budapest Open Access Initiative の思想的背景とその受容 https://t.co/noVFBhNxeq

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