著者
照本 清峰
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.871-876, 2012-10-25
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究では、防災教育と防災まちづくりの連携による実践的津波避難訓練の実施体制を示すとともに、実施結果に基づく効果と課題を検討することを目的とする。従来、個別になされていた活動について、相互の取り組みを連携させるモデルを構築するとともに、それらを実践することによって検討することに本研究の特徴がある。調査対象地域は、和歌山県海南市黒江船尾地区である。同地区は、南海地震による地震動とともに、その後の津波の来襲によって被害が生じることが予測される地域である。訓練時には、道路の一部は損壊によって通行できない、避難場所の一部は土砂崩れなどによって使用できない、負傷している(役割の)住民がいる、高齢者等の避難に対して支援を必要とする(役割の)住民がいる、という状況を想定して実施された。実践的な訓練の取り組みの結果より、避難に関する仕組みと空間整備上の課題を導出できること、避難に関する様々な課題があるという認識がより高まることを示した。また、実践的訓練を媒介として連携することによる意義と相互の活動の効果を高められる可能性について言及した。

言及状況

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【論文紹介】 防災まちづくりと防災教育の連携による実践的津波避難訓練の効果と課題 防災に対する関心・知識・対策の向上を目的とする防災教育と、自宅や地域の危険個所を把握し、備蓄をし、避難計画を考え、訓練をするといった取り組みを主とする防災活動は、ともに災害からの被害軽減を目的としながらも、十分には連携が図られていないのが現状といえます。 また、それぞれの分野においても、先進的事例はありながら、 ...

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