- 著者
-
中村 達雄
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.4, pp.507-512, 2013-07-13
- 参考文献数
- 14
人工神経管(PGA-C tube)を用いた再生医学の臨床応用が2002年より始まっている.この再生医療を支えるのが<I>in situ</I> Tissue Engineering(生体内再生)の概念である.<I>in situ</I> Tissue Engineeringは欠損した組織を生体内のその部位(<I>in situ</I>)で再生させる手法で世界に先駆けて本邦で提唱された.末梢神経は再生能力を有するが,人工神経PGA-C tubeは神経再生の「場」をPGAチューブの内腔に有する医療器具である.これまでに再建した末梢神経は合計300本を超え,また神経因性疼痛に対しても効果があることが判明し,新たな治療法として期待が高まっている.