著者
大山 ちあき 狩野 太郎 神田 清子
出版者
群馬大学
雑誌
群馬保健学紀要 (ISSN:13434179)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.39-44, 2001-03

本研究の目的は, がん専門病院と一般病院のがん告知に関する考え方の違いを明らかにすることである。対象はがん専門病院に入院中のがん患者186名と, 10施設の一般病院に入院中のがん患者412名であった。医師の告知状況, 病名告知についての看護者の考え方などについて, 平成11年10月1日に病棟責任者記載による一斉調査を行った。その結果, 医師の告知状況は, 「がんまたは悪性腫瘍」として真実を告げている割合が, がん専門病院では84.4%であり, 一般病院の54.1%に比べると約30.0%高くなっていた。看護者が望む病名告知も医師と同様の結果であった。がん告知に対する看護者の考慮する点は, がん専門病院・一般病院ともに「病期・予後」を最優先にしていた。がん専門病院の看護者は「患者の知る権利」「患者の希望」を大切にしていた。一方, 一般病院の看護者は「家族の希望」を優先していた。以上の結果より, がん専門病院と一般病院では, がん告知に対する看護者の姿勢に明らかな違いが見られた。今後, 一般病院では看護者・医師ともに, 患者の意思を尊重した告知のあり方を, 病院独自の方法で検討していく必要性が示唆された。

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こんな論文どうですか? <原著>入院がん患者の告知状況に関する研究 : がん専門病院と一般病院の比較(大山 ちあきほか),2001 http://t.co/MnvYvGBZzU
こんな論文どうですか? <原著>入院がん患者の告知状況に関する研究 : がん専門病院と一般病院の比較(大山 ちあきほか),2001 http://t.co/MnvYvGBZzU

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