著者
小原 博
出版者
拓殖大学
雑誌
経営経理研究 (ISSN:02878836)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.1-29, 2000-12-22

100年前, いわゆる世紀転換期にアメリカで生成したマーケティングは, (第2次世界大戦前に, それも)両大戦間期とくに1920年代に日本でも生成したとみる。アメリカほどにドラスティックではないものの, 日本においても革新的な流通変革がこの時期に実態から把握でき, そこにマーケティングの初期的な展開がみられる。当時, (1)消費財分野では「新興企業による徒手空拳の起業家的経営・マーケティングの実践」が少なからずみられ, 他方(2)農産物分野では「法的規制・行政主導による上からの革新」の中で流通整備が行なわれていたなど, 日本でのマーケティングの生成はこうした二重構造ともいうべき構図を指摘できる。

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