著者
村松 常司 村松 園江 原田 久美 〔他〕
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 芸術・保健体育・家政・技術科学 (ISSN:03887367)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.99-112, 1993-02-10

今日では,たばこ煙が喫煙者だけでなく,非喫煙者にも害を及ぼすことはもはや疑いの余地はない。本調査では小・中・高校生の喫煙状況を把握し, Passive Smokingに対する反応や自覚症状及び両親や兄弟の喫煙との関連について追究した。調査は小学生463名,中学生420名,高校生637名を対象として,平成2年9月~10月に無記名質問紙法によって行われ,以下に示す成績を得た。(1)小・中・高校生の喫煙経験率は,小学生では男子10.8%,女子1.8%,以下中学生16.1%, 2.6%,高校生24.2%, 5.7%であり,いずれも女子より男子が高い。喫煙経験率は男女とも学年が上がるにつれて有意な上昇となり,両親や兄弟が喫煙している者は喫煙経験率が高かった。(2)現在喫煙している者の割合は,小学生では男子0.8%,女子0.0%,以下,中学生6.4%,1.0%,高校生では7.7%,0.6%であった。(3) Passive Smoking に対しては,男女とも「嫌う者」が多く,それぞれ70.8%, 85.0%であり,また,両親や兄弟が喫煙しない者は,Passive Smokingを「嫌う者」が多かった。(4) Passive Smoking によって自覚症状があると回答した者は,男子63.0%,女子77.5%であり,男子より女子に多かった。症状としては「せきが出る」の37.7%が多く,以下「頭が痛くなる」,「のどか痛くなる」,「鼻がツーンとなる」が目立った。Passive Smokingを嫌っている者は男女とも症状を訴えている者が多かった。(5) Passive Smoking に対する反応を1976年の調査結果と本調査を比較してみると,男子では52.4%, 70.8%,女子では64.6%, 85.0%が「嫌い」と回答し,本調査の方が多かった。また,両者の自覚症状を訴えた者の割合を比較してみると,男子では63.3%, 63.0%,女子では77.4%, 77.5%であり,両調査ともほとんど同率であった。(6)両親が喫煙することに対しては,男女ともに「健康を心配する」が多く,それぞれ53.8%, 67.7%であり,以下,「臭いが嫌い」「何も思わない」が続いた。「健康を心配する」は女子に多く,「何も思わない」は男子に多かった。(7)両親の非喫煙に対しては,男女ともに「良いと思う」が大多做を占め,それぞれ87.5%, 96.9%であった。(8)将来の喫煙意志のある者は,小学生9.1%,中学生10.0%,高校生5.9%であり,男女別では,それぞれ15.1%, 0.7%であり,男子に多かった。

言及状況

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こんな論文どうですか? 喫煙習慣からみた青少年のPassive Smoking に対する反応ならびに自覚症状に関する研究(村松 常司ほか),1993 http://t.co/Uw8vNn9Jzt

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