著者
清水 貴裕 瀧野 揚三
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.347-363, 1998-01

本研究は,小学校の4年生児童127名を対象に,いじめ場面における被害者と第三者の行動が,加害者の行動と態度にどのような影響を及ぼすかを検討した。まず,架空のいじめエピソードの4コマ漫画を提示し,続いて第三者の援護行動(仲裁者的立場),はやしたて(観衆的立場),黙認(傍観者的立場)と被害者自身の行動(服従的行動と抵抗的行動)を組み合わせた6条件を2コマ漫画で提示した後,被害者と第三者の応答行動後の加害者の行動,いじめをおこなったことに対する加害者自身の評価,いじめをおこなったときの加害者の感情,今後のいじめへの動機づけを調べた。結果は,第三者が援護する条件で顕著にいじめを抑制する傾向が示された。The purpose of the present study was to investigate the effects of victim's and bystanders' behaviours on the bully's cognition, emotion and behaviours. A sample of 127 fourth graders participated in this study was divided into six subgroups and answered the questions about bully's reactions, cognition, emotion and behaviours. The result showed the bystanders' helping behaviours lead to the prevention of bullying effectively rather than the victim's resistance.

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