- 著者
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小林 京子
高橋 美与子
- 出版者
- 広島大学
- 雑誌
- 中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.39-46, 1999-03-19
今日の食生活は, 食材・調理手法共に国際色豊かになると共に, 「食」の社会化も高まっている。また, 一方家族形態の多様化, 個人の生活重視あるいは家庭事情等によって, 家族揃っての食事回数は少ない。従って「食」を通しての家族の絆は希薄化し, 家庭の味や伝統的な食文化の継承・伝授は困難である。本研究では, 高校生及び高齢者が食文化の継承・伝授について, また今日の食生活の状況や望ましい食生活をどのように考えているのか意識調査し, 多くの高校生や高齢者は食文化の継承・伝授の大切さ・意義を認識しながらも生活時間のずれや食嗜好の差から家族揃っての食事ができていないことが伺えた。そこで, 高齢者と共に伝統的なお菓子作りを授業実践してみた。大半の生徒が交流体験を通して生活の知恵等多々学び, 意義深かったと述べている。今後はこのような体験機会をいかに設定していくかが課題となる。