著者
入川 義克
出版者
広島大学教育学部附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
no.37, pp.91-105, 1997-03-11

小学校や中学校では,三角形・四角形・円などの平面図形の面積や角柱・角錐・球などの立体図形の体積を求めてきた。しかし,面積や体積を求めるこれらの公式が,どのように導きだされたかを知るのは,高等学校で積分を習ってからである。ここでは,「平面スライス型分割」を土台に,教科書にはない楽しい求積のアイディア「バームクーヘン型分割」「雪だるま型分割」「とんがり帽子型分割」などの考え方を使って,いろいろな立体図形の体積を求めていく。ここで紹介する内容は,集中講義「空間図形と微積融合問題を斬る」の中で空間図形と微積融合問題を攻略しその弱点を補強するために実施した演習の時間に扱ったものである。「導関数の定義」と「はさみうちの原理」を基礎にして,求積公式を導き,いろいろな切り口から求積問題に迫ることで,どんな問題にも対処できる実力をつけていく教材の開発をめざしている。
著者
金本 宣保
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.185-190, 2005-03-22

「高校生の小説の読み方は変わったか。」という問があり、「そう変わっていないのではないか。」という思いもあり、確かめたいという課題意識があった。2004年度高等学校2年生で、夏目漱石「こころ」を教材とした授業をし、作文「『こころ』について」を書かせた。1986年度の高等学校2年の「こころ」の授業の記録の作文と比べたが、大筋は変わっていない。2001年度の当校の江口修司教官の高等学校2年生での「こころ」を教材とした授業をしたときの学習者の作文と比べてみても、変わっていないものがある。「こころ」の授業では、かってと今との作品の受けとめ方はそう違っていないことを、学習者の作文によって確認した。
著者
遠藤 啓太
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.168-173, 2017-03-31

若者の政治離れや,選挙における投票率の低さが問題視されて久しい。2016年6月からは公職選挙法の一部が改正され,公職の選挙において選挙権を有する者の年齢が満18歳以上に引き下げられた。翌7月には参議院議員通常選挙が実施され,国政選挙に多くの若者の1票が投じられたことが大きなニュースとなった。本稿では,以上のような状況の中で,政治に関心をもつことができたり,社会の間題に対して他人事としてではなく,当事者意識をもって向き合ったりすることのできる生徒の育成を目指した中学校社会科公民的分野「地方自治」の授業実践の報告を行い,成果と課題についてまとめる。
著者
金子 直樹
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.177-182, 2008-03-20

2006年度から当校では「新サイエンスプログラム」と題して、「リテラシー」をキーワードとする全校あげての研究開発を行なっている。国語科では従前から、教科の指導内容そのものが「リテラシー」育成を目指すものであるが、この機会に改めて「リテラシー」という考え方を軸にして授業を構成してみた。題材として取り上げる「古典」は、扱い方によっては内容主義や尚古趣味に陥りがちなものであるだけに、むしろ「リテラシー」の本質である「批評」という面を強く意識しておかなければならない。その「批評」という思考過程を組み入れやすくするために、「比べ読み」の活動を用いて授業を展開した。以下は、第37回中・高等学校公開研究会で公開授業として実施したものに基づく記録である。また、昨年の報告「国語科におけるリテラシーの授業一中学1年生の古典の授業から一」(本研究紀要47巻2007.3)の続編である。
著者
大江 和彦
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.67-72, 2000-03-18

学習指導要領の改変に伴う授業時間数減少の中で, 教材の内容精選を効果的・合理的に行うことは, 地歴科だけではなく, どの教科においても課題であるといえる。この課題を克服するためには, 新たな視点からの教材開発が必要と考える。現代社会に生き, 未来を創造してゆく生徒に, 画一的でない, 柔軟性のある思考を可能にさせる授業づくりを課題とし, 日本歴史の既成的時代区分の批判的吟味を通じて, 日本史A前近代史における主題的学習の分野に絞り, 海の時代的役割からみた東アジア交流史の教材構成案を, 1つの視点として提示したい。
著者
鵜木毅
出版者
広島大学教育学部附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
no.40, pp.31-36, 2000-03-18
被引用文献数
1

従来の教科教育とは別に創設された総合学習は, 教科教育との整合性をどのようにつけながら教育活動に位置付けられればよいであろうか。この問題に対し, 筆者は, 「情報化社会に生きる市民」に必要とされる能力の育成が総合学習において重要であると考えた。この情報化社会で必要とされる能力とは, 他者の意見を批判的に分析できる能力であり, 自らの意見を説得的に相手に伝える能力であろう。本年度, 本校の総合学習の時間であるLIFEにおいて, こうした能力を育成するための授業に取り組んできた。授業内容は, 意見を分析するための枠組み(フレームワーク)を習得することと, この枠組みを使って社会的論争問題(本年度は「夫婦別姓」の問題)について, 他者の意見を分析したり, 自らの意見を形成したりすることを中心に構成した。その授業の展開案の一部を提示する。
著者
藤本 隆弘 房前 浩二 岡本 昌規 高田 光代 藤原 宏美 岩田 昌太郎 合田 大輔
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.145-156, 2004-03-22

本校では1982年より「生涯体育に視点をおいた授業実践」に取り組んできた。「体育の学び方を学ばせ,体育・スポーツの生活化」を目指し,「自ら学び,自ら考え」,自己を成長させていく「自己教育力」の育成をねらいとして実践してきた。今回の授業では,サッカーを通して,個やチームの課題を明らかにし,課題を解決するために意欲的に思考し,工夫する授業に取り組んだ。攻撃戦術(壁パス,オーバーラップ,スルーパス,スイッチプレー)を学習し,ゲームを楽しむために「練習(2対1)-試合(4対4)-課題練習-試合(4対4)-課題練習-試合(8対8)」というプログラムを組んだ。4対4,8対8のゲームの中で相手を意識したプレーを課題として思考し,工夫し,技能を高め,また,攻撃に対しての防御の仕方についてもグループで考え,課題をみつけ,工夫し,学ぶことができた。個・チームが課題解決のために,意欲をもって思考したり,メンバーの特長を把握したり,戦術を考えることができた授業になったと思う。
著者
大江 和彦
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
no.49, pp.205-216, 2009-03-20

中学校1年生は,歴史に関してどれほどの知識を持っているのか。これまで半年あまり授業を実施してみて,小学校段階の学習内容をある程度知ることができた。手っ取り早くいえば,年代や事項の丸暗記に徹しているのである。歴史に興味がある生徒は,自分からすすんで図書室の小説や漫画などの本を借りるなどしてそれなりの知識を身につけているが,それ以外の生徒は必要最低限の知識しか持たない。1192年に鎌倉幕府が成立したことを,「いいくにつくろう鎌倉幕府」と語呂合わせで覚えているに過ぎないのである。この現実をふまえた上で,中学校段階の歴史学習を展開するためには,生徒に「歴史を知っている」ことは「歴史を理解している」ということではないことを改めて認識させる必要がある。そのためには,1)論理的に物事が説明できること,2)具体的な資料に基づいて科学的な思考ができることが必要であると考える。具体的資料をどう解釈し,どう論理を組み立てていくと誰もが納得できる説明ができるのか,これができることが「歴史を理解する」という事になる。今回の授業構成案では,具体的な事象の分析を元に情報を入手し,「必然の論理」のモデルを学ぶことができる授業を提示することを目指した。
著者
大江 和彦
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.103-110, 2007-03-20

いわゆる「忠臣蔵」の話は,1701年の3月14日の江戸城松の廊下における刃傷事件に端を発し,1702年12月14日,江戸本所の吉良邸に赤穂浪士が討ち入り,吉良上野介義央の首を取ったという現実に起こった一連の事件を題材とした創作脚本である。戦乱という戦乱のない当時の社会では,まさに世を揺るがす大事件であった。当時より現在に至るまで,さまざまに脚色されながら,浄瑠璃・歌舞伎・映画・テレビドラマなどによって,多くの人々が見聞きした事件であり,過去から現在にかけて,民衆に大人気の脚本となった。まさに水戸黄門に勝るとも劣らない典型的な勧善懲悪のストーリーとなっている。しかし,この事件の時代背景や武士としての生き方を考慮に入れて別の面からこの事件を捉え直してみると,歴史理解における非常に重要な論理に気づくことができる。本論文では,将軍に真っ向から勝負を挑んだ赤穂浪士の死を主題とし,文治政治の時代における為政者としての武士のあり方を論理的に解明する。
著者
岩永 健司
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.89-98, 1993-03-10

本稿は,社会科「歴史的分野」での「課題学習」は現在または未来を志向し,知識内容を目的ではなく手段ととらえることによりその設定の趣旨に応ずることができる,との仮説に基づく実践からの考察である。この仮説から「歴史的分野」において「国際社会と日本-イギリス産業革命と現代社会-」というテーマで実践を行った。生徒の発表を中心としながら行ったその実践の根拠,実際,ならびに結果に基づきながら社会科「課題学習」について考察した。
著者
土肥 大次郎
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.253-258, 2012-03-19

本研究は,批判的思考力育成を重視して市民的資質育成をめざす授業についての考察である。このような授業としては「社会の欠損状態の批判的研究」と「社会的論争の批判的研究」の2つが考えられる。本研究ではまず,これら2授業の批判的検討を行い,その強みや問題点を示す。そして,相互補完の関係にあると考えられるこれら2授業のうち,「社会的論争の批判的研究」としての授業についてその構成を,開発した小単元「少年法改正」とともに示す。
著者
金子 直樹
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.156-161, 2018-03-31

国語科、とくに古典学習におけるアクティブ・ラーニングとは、パフォーマンス・ラーニングではない。話し合いや発表会という「活動」を伴っていなくても、生徒たちが向き合うテキストを、ただの対象物(しかも時代の離れた、縁遠い興味しかもてないもの)としてではなく、意図を持って私たちに「嘘」を語りかけてくるものとして捉え直すことで、テキストとの関係に主体性と能動性をもたらすことが重要である。特に中学生段階では、高等学校での本格的な古典学習を迎える準備として、そのような構えを育てておきたい。以下に、テキストの「嘘」を素材としての単元構成・教材編成と、その実践・改善例とを提案する。
著者
多賀 徹哉
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.105-112, 1994-03-10

英語教科書は英語教育では中心的な役割を果たしてきた。幕末期においては英語学習は蘭学同様に即,西洋の知識や技術を取り入れる手段につながった。また,明治時代に英語教育が学校教育に取り入れられると,英語教科書が唯一の教材であり,これなくしては英語の授業は成り立たなかったと極論できそうな状況であった。従って当時の英語教科書の内容を研究することで英語教育の実態を探ることができるし,教科書の扱い方からは日本の英語授業のあり方を映しだす鏡を得ることになろう。日本の英語教育は明治初期から,訳読式のやり方が大勢であった。従って,1921年(大正12)のパーマーの来日と彼の活動による英語教育に対する意識の高まりはエポックメイキングな出来事であった。しかし,パーマー以前から英語教育界の中では,訳読式授業の弊害が批判され,音声重視の授業の提唱がなされていたのである。極めて大ざっぱな言い方になるけれども,パーマーほど整理されてはいないし,パーマーの時期ほど実践されてはいなかったが,パーマーの提唱の先覚者たちが確実に存在したのであった。そして,外山正一もまたその一人であったのである。彼の著書でもあり,先覚的な教授法を提唱した『英語教授法』の内容分析,そして,彼が編集に加わった『正則文部省英語讀本』の分析,『英語教授法』の主旨がどのように反映されているかの研究が,今後の英語教科書,英語教授法の指針のひとつとなり得るかもしれない。
著者
藤本 隆弘 房前 浩二 岡本 昌規 三宅 幸信 高田 光代 合田 大輔 石口 雄二 小川 智恵子
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.237-247, 2005-03-22

当校では1982年より「生涯体育に視点をおいた授業実践」に取り組んできた。「体育の学び方を学ばせ, 体育・スポーツの生活化」を目指し, 「自ら学び, 自ら考え」, 自己を成長させていく「自己教育力」の育成をねらいとして実践してきた。今回の授業では, ソフトテニスを「ロビングからはじめる」ことによって, ボールの落下点の予測や移動するフットワーク, 打球のための体のさばきなどが身につきやすいのではないか, また, サービス・サービスレシーブやボレー・スマッシュなどの技能の習得に役立つのではないか, 狙ったところにロビングで返せることは戦術を考えることにつながるのではないか, と仮説を立て実施した。「ラリーの続く」楽しさに, 生徒たちが意欲的に, 考え, 工夫し, 技能の習得につとめ, ゲームの中でも工夫することができる授業になったと思う。
著者
岡本 昌規 合田 大輔 高田 光代 藤本 隆弘 三宅 理子 三宅 幸信
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.269-278, 2012-03-19

今日のランニングブームのなかで,長距離走の授業においてペースコントロールやトレーニング方法だけでなく,合理的に走るための走法(ランニングフォーム)について学習することは,生徒がこれから将来にわたってジョギングを実施したり市民マラソン大会に参加するなど様々な目的を持って長距離に取り組む時に,記録の向上はもちろんリラックスして楽しく走ることや故障の防止にもつながり意欲を持って取り組むのに必要なことであると考える。これまでの長距離走の授業実践では走法について取り組んだものは見られない。今回はこれまで実践してきたペース走にランニング時の姿勢作りを中心にして,肩甲骨からの腕振り,骨盤からのストライドといった体の動き作りを課題として取り上げた授業を行った。
著者
千菊 基司 多賀 徹哉 幸 建志
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.137-142, 1998-03-24

教育実習の最大の目的は,「授業を成立させる力」をつけることにあろうが,この力については教授が容易な技術と,そうでない技術に分けられると考えてよいであろう。特に後者は授業を通じて獲得されるものであるが,実習生の人数と教官の持ち時間の関係で限られた時間しか実際に授業の経験ができない。この点を克服するために,実習生全体に,(1)ビデオで録画した授業を媒介にした授業観察の指導とその後の指導案を考える演習,(2)指導案通りに進まない時の対処法についての講義,(3)発問の分類や発問を考え出す演習等を行った。初めての試みであったが参加した実習生には好評で,異なる学年を教える実習生がグループの枠を越えて多様な意見を交換することで,多くを学んだようである。本稿はその実践報告と,指導教官や実習生からのフィードバック等から得られた今後の課題からなる。
著者
清水 浩士
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.97-110, 1996-03-11

図書事務のコンピュータ化は数年来の希望であったが,校内LANが設置されることに伴い,93年9月より図書室委員会において検討が始まった。コンピュータ導入の意義,現状の図書館業務の分析,コンピューター化にあたっての要件設定等が検討されハードウェアとソフトウェアを定めた。94年度は夏休みを中心に図書館内の図書にバーコードを貼り,95年度の夏休みには残りの図書にバーコードを貼る作業が完了した。コンピュータ設備は年々拡張され,図書館内に貸し出し返却用端末が1台,図書事務室にサーバー1台と業務用端末が1台稼働している。また,その図書館システムが校内LANの一部を構成し,校内各所から図書館システムにアクセスが可能になっている。現在,校内各所から分担して蔵書をコンピュータに登録する作業がおこなわれており,図書の貸し出し,返却業務は95年度2学期から仮運用を開始した。
著者
入川 義克
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.41-48, 1995-03-10

夏休み・冬休みには,まとまった量の問題を解くという課題が多かった。また,授業を振り返ってみても,クラスという学習集団を対象として,数学的な知識・技能を伝達し,解法の過程をあらかじめ予想して進める形態の授業が多かった。限られた時間内で教えなければならない現状を考えれば,このような進め方も必要である。しかし,授業の展開の仕方にもよるが,このような進め方だけでは,多くの生徒にとって受け身の授業になってしまう。生徒の多様な考え方を引き出したり,数学的な考え方や数学に対する興味・関心を高め,生徒が学習の主体者として意欲的に課題に取り組んでいく課題や授業を計画的に取り入れていけば,私達が期待する以上の効果を上げることができる。
著者
甲斐 章義
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.231-235, 2005-03-22

広島大学理学部・大学院理学研究科では, 毎年11月初旬の広島大学祭の時期に「理学部・理学研究科公開」が行われている。その一環として, 次世代を担う中高生に「理学」への関心をさらに深めてもらう機会として, 「中学生・高校生による科学シンポジウム」が企画されており, 今年度で7回目を迎えた。ここでは, 自然科学 (数学を含む) に関する日頃の研究活動の成果を, グループあるいは個人で発表する場が設けられており, 多くの学校から熱心な取り組みが毎年発表されている。今年は11月6日 (土) に理学部E002講義室にて開催され, 全部で7校から18件の発表が行われた。その年の研究発表の件数にもよるが, 1つの発表につき, だいたい10分くらいの時間で発表が行われ, その後2〜3分くらいの質疑応答がある。我が校は4年前からこのシンポジウムに毎年参加しており, 2001年度は数学の発表が1件と理科の発表が1件, 2002年度は数学が2件と理科が1件, 2003度は数学が3件, そして今年度は数学が2件, 理科が1件の発表を行った。これらの発表のうち, 数学の取り組みについてごく簡単にではあるが報告したい。