著者
安田 正昭 山田 剛史 石原 昌信 当山 清善
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.125-134, 1992-12-01

酵素活性及び生酸性のバランスがとれた泡盛麹菌(Aspergillus awamori, Nakazawa IFO 4033)の生産するα-アミラーゼ及びグルコアミラーゼの酵素化学的諸性質を検討し,以下の結果を得た。(1)供試菌株の生産するα-アミラーゼの反応最適pHは4.5∿5.5,pH安定性は3.0∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は65℃,温度安定性は60℃まで安定であった。(2)供試菌株の生産するグルコアミラーゼの最適pHは5付近(4.3∿5.3)で,pH安定性は3.5∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は60℃,温度安定性は60℃まで安定であった。(3)供試菌株グルコアミラーゼの米(タイ国産砕米,うるち,もち),馬鈴薯,甘藷,小麦,とうもろこしの糊化デンプンに対する反応性を調べたところ,いずれも可溶性デンプンとほぼ同様の値を示した。(4)供試菌株グルコアミラーゼのタイ国産砕米デンプンに対する加水分解率は反応時間の経過に伴い増大し,反応24時間における値は82%であった。(5)供試菌株の生デンプン(タイ国産砕米)の分解活性の反応最適pHは3.2∿3.5であった。(6)供試菌株の各種生デンプン分解活性はウルチ米,タイ国産砕米及びもち米などで高い値を示し,小麦やとうもろこしにも比較的高い値を示した。しかし,生馬鈴薯デンプンに対する分解活性は著しく低い値を示した。

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(2)供試菌株の生産するグルコアミラーゼの最適pHは5付近(4.3∿5.3)で,pH安定性は3.5∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は60℃,温度安定性は60℃まで安定であった http://t.co/hNJQifbyQ8

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