著者
安田 正昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.839-842, 1983-11-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1 1

酒の肴としても珍重され, チーズに似た舌ざわりとウニのような風味をもつ沖縄の発酵食品「豆腐よう」の歴史と製造法等について解説していただいた。
著者
安田 正昭
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.67-72, 2013-01-31 (Released:2013-04-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2

豆腐ようは沖縄以外の我が国ではほとんど見られないユニークな豆腐の発酵食品である.この食品は琉球王朝時代の 18世紀頃に中国から渡来した紅腐乳を琉球王府のお料理座で改良して造り出されたものと考えられる.発酵にかかわる主な微生物は, Monascus 属カビと Aspergillus oryzae である.豆腐ようの主要な構成成分は大豆タンパク質グリシニンの塩基性サブユニットおよびその他のポリペプチド(分子量 10,500-15,000)である.それら成分が豆腐ようのテクスチャーに関係している.発酵過程で大豆タンパク質はプロテアーゼの作用により低分子化され,一部はアミノ酸やペプチドに変換される.遊離アミノ酸は呈味にかかわる.発酵で生成したペプチド(IFL, WL)は血圧上昇抑制にかわわるアンギオテンシンⅠ変換酵素の阻害効果を示した.両ペプチドは消化酵素による連続処理後においても高い ACE 阻害活性を有していた.高血圧自然発症ラットを用いた動物実験においても豆腐よう投与群はコントロール群に比べて有意に血圧が低下した.豆腐ようには血圧上昇抑制効果のあることが期待された.
著者
安田 正昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.912-915, 1983-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
88
被引用文献数
1 2
著者
安田 正昭 山田 剛史 石原 昌信 当山 清善
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.125-134, 1992-12-01

酵素活性及び生酸性のバランスがとれた泡盛麹菌(Aspergillus awamori, Nakazawa IFO 4033)の生産するα-アミラーゼ及びグルコアミラーゼの酵素化学的諸性質を検討し,以下の結果を得た。(1)供試菌株の生産するα-アミラーゼの反応最適pHは4.5∿5.5,pH安定性は3.0∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は65℃,温度安定性は60℃まで安定であった。(2)供試菌株の生産するグルコアミラーゼの最適pHは5付近(4.3∿5.3)で,pH安定性は3.5∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は60℃,温度安定性は60℃まで安定であった。(3)供試菌株グルコアミラーゼの米(タイ国産砕米,うるち,もち),馬鈴薯,甘藷,小麦,とうもろこしの糊化デンプンに対する反応性を調べたところ,いずれも可溶性デンプンとほぼ同様の値を示した。(4)供試菌株グルコアミラーゼのタイ国産砕米デンプンに対する加水分解率は反応時間の経過に伴い増大し,反応24時間における値は82%であった。(5)供試菌株の生デンプン(タイ国産砕米)の分解活性の反応最適pHは3.2∿3.5であった。(6)供試菌株の各種生デンプン分解活性はウルチ米,タイ国産砕米及びもち米などで高い値を示し,小麦やとうもろこしにも比較的高い値を示した。しかし,生馬鈴薯デンプンに対する分解活性は著しく低い値を示した。