著者
山田 隆
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子大学紀要 (ISSN:02870525)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.159-175, 2003-03-31

写真コミュニケーションを考察するための基礎資料として,カメラと写真の最近までの変化を整理した。戦後の日本において,カメラの世帯普及はほぼ順調に進み,1980年代には80%に達した。自動露出や自動焦点,コンパクト化などにより,撮影者の層が拡大した。使い捨てカメラや現像・焼付けの低価格化などにより,カメラの携帯と撮影の日常化が進んだ。最近では,カメラはデジタル・カメラに移行しつつある。カメラの発展につれて,撮影する/される意識も変化してきた。写真は鑑賞するより撮るもの,撮られる場合はより良く,写真は自分(達)のために,などである。写真は保存するというだけでなく消費するという側面も出てきている。このような新しい写真との関わり方は,若い女性を中心に表れている。携帯電話にカメラが付いたことで,更に写真行動は変化していくものと考えられる。

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これはおもしろかった。「思い出工学」の存在に驚愕。山田隆(2003)「<論文>写真コミュニケーションの社会史 : カメラの革新と写真意識の変化」http://ci.nii.ac.jp/naid/110000221014

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