著者
上林 美保子 綱島 不二雄
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.465-470, 1997-01-31

【緒言】各種の半矮性遺伝子を有する短稈水稲品種を用いた多肥・密植栽培によって水稲の収量は,飛躍的に増加した.しかし,多肥・密植栽培は各種病害の多発を随伴し,また農薬多用による環境汚染が指摘されてきた.このような趨勢に対して,低投入・環境保全型農業(Low Input Sustainable Agriclulture=LISA)の生産体系の構築の必要性が指摘されている.しかし,このような観点からの農業生産体系の構築に関する実証的研究は極めて少ない.本研究では,LISAの観点からの農業生産体系の構築のための基礎資料を得るため,現在の良質品種の一つササニシキを用い,栽植密度と肥量水準を慣行よりも減少させることによって,水稲個体群の病気,倒伏に対する耐性を高め,しかも収量を慣行より減少させない栽培法の確立ができるかを検討した.

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