- 著者
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徳永 幹雄
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 健康科学 (ISSN:03877175)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, pp.91-102, 2001-03-01
スポーツ選手の心理的競技能力を診断する方法を開発する目的から, 1986年以来, 種々のスポーツ選手を対象に調査を行い, 信頼性, 妥当性を検証し, 評価尺度の開発とシステム化を試みてきた。その主な結果は, つぎのとおりである。1. スポーツ選手の心理的「特性」としての心理的競技能力を診断する方法として52(嘘尺度4項目を含む)の質問項目から構成され, 12尺度及び5因子に分類される調査法である「心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)」を開発した。2. スポーツ選手の心理的「状態」としての心理的競技能力を診断する方法として次の2つの方法を開発した。1) スポーツ選手の試合前の心理状態を診断する方法として20(嘘尺度2項目を含む)の質問項目で構成され, 9尺度及び5因子に分類される調査法である「試合前の心理状態診断検査(DIPS-B.1)」を開発した。2) スポーツ選手の試合中の心理状態を診断する方法として10の質問項目から構成される調査法である「試合中の心理状態診断法(DIPS-D.2)」を開発した。3. スポーツ選手の心理面の指導のために3つの診断検査のシステム化を試みた。