著者
滝澤 恵美 岩井 浩一 横塚 美恵子 伊東 元
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.61-68, 2002-03
被引用文献数
1

歩行パターンの変動が高齢者における将来の転倒を予測するという報告がある。そこで, 本研究は歩行パターンの変動と身体運動機能の関係を調べ, 歩行の安全性や安定性の観点から運動指導する糸口を検討することを目的とした。地域在住の65歳以上の健康な高齢者90名を対象に, 自由歩行時における重複歩距離と歩幅の連続10歩の変動を変動係数(CV)で算出した。身体運動機能は, 筋力, 平衡性, リズム形成, 可動性の4項目を測定し, 歩行パターンの変動との関係を調べた。歩幅CVは, 開眼片足立ち時間と負の関係を認めたことから, 歩幅CVが示す歩行パターンの変動は身体運動機能4項目のなかで平衡性の低下がより関係していることが推察された。今後, 平衡性に注目した運動プログラムの実施, 杖や装具の利用による歩行パターンの変動の変化について検討する必要がある。

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