- 著者
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安野 眞幸
- 出版者
- 弘前大学
- 雑誌
- 弘前大学教育学部教科教育研究紀要 (ISSN:09129006)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, pp.1-16, 1998-12
長崎開港前の長崎周辺のありさまを,当地に伝えられた神功皇后伝説から考えると,当地は船住まい(-家船)の人々の活躍する世界であったことがわかる。彼らは潜水漁業を行う専業漁民であるが,同時に水軍や倭蓮とも関連があり,海運業・商業への転身もあったと思われる。南蛮貿易港には「貯」などの形で水上交通・荷役業を行う「キリシタン家船」の存在が想定され,長崎の開港は彼らの陸上がりの結果なのである。