著者
久保 純子
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.25-48, 1988
被引用文献数
4

南関東の相模野台地・武蔵野台地に分布する谷の地形・地質を比較検討し,これらの谷の形成過程について考察した.<br> 相模野・武蔵野をはじめとする関東平野の台地には,台地上に厚い風成テフラをのせるものが多い.これらの台地では現在までの数万年の間,テフラの問けつ的な降下と,台地に流域をもつような小さい川の侵食・運搬作用が同時に進行していたと考えられる.このような堆積(テフラの降下)と侵食・運搬作用(谷の成長)の積分の結果が現在の相模野・武蔵野台地の谷地形であること,すなわち,礫層を堆積させた過去の大河川の名残川が降下テフラを流し去ることによって谷を形成したことを,相模野および武蔵野台地の各時代の面を「刻む」谷の地形・地質を比較することにより導き,谷の形成過程を説明した.

言及状況

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久保(1988)によると、M面を刻む谷は古多摩川の蛇行を残す(名残川)。縦断面を見ると底面は直線的で、ローム層の下にある硬い武蔵野礫層を侵食できていない。S面を刻む谷は樹枝状で縦断面は上に凹 http://t.co/AFuvAfb3

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