著者
束村 康文
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.577-592, 1990
被引用文献数
2

本研究では小氷期末の19世紀前半をとりあげて,東アジアの夏季の寒帯前線の出現位置と出現頻度を復元し,当時の乾湿分布との関係を議論した.寒帯前線位置の復元は,19世紀前半の毎日の天気分布図(風,寒暖の記録を含む)について類似している現在の天気分布図を捜し出し,それに対応した現在の総観天気図中の寒帯前線位置を採用するという方法をとった.6月から9月まで,寒帯前線帯の位置の推移を調べた結果,冷涼な年代である1825~1840年はそれ以前の1815~1824年に比べて,盛夏期へ入る際の前線帯の北上の時期が遅れていた.また,8月にも前線の南下が数度あり,9月においては寒帯前線が南偏することが多かった.これらの寒帯前線によって,東アジアの湿潤域は,1825~1840年には華中と日本に出現することが多かった.

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