著者
束村 康文
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.619-634, 1992

天気分布型の半旬別出現率に基づいて自然季節区分を行なった.その結果,1年を大きく5つの季節に分け,さらに各季節を細分した.それは,冬季(初冬期,真冬期,晩冬期に細分),春季(春の湿潤期と梅雨の走り期の存在のみ指摘),梅雨季,夏季(盛夏期,夏の湿潤期),秋季(秋雨期,秋晴れ期,晩秋期)である.19世紀前半(1811~1840年)は最近30年間,(1960~1989年)に比べて,冬季,梅雨季,夏季は短く,春季,秋季が長かった.19世紀前半の季節の進行は,春季の開始は最近30年間と変わらないが,梅雨季の開始は遅れていた."盛夏期"の開始と終了には変化はみられず,秋季の開始は早くなっていたが,"初冬期"の開始は再び遅れて,"真冬期"の開始と終了には変化はみられず,"晩冬期"の終了は変わらなかった.また"秋雨期"と"秋晴れ期"の境が明瞭でなかった.
著者
束村 康文
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.577-592, 1990
被引用文献数
2

本研究では小氷期末の19世紀前半をとりあげて,東アジアの夏季の寒帯前線の出現位置と出現頻度を復元し,当時の乾湿分布との関係を議論した.寒帯前線位置の復元は,19世紀前半の毎日の天気分布図(風,寒暖の記録を含む)について類似している現在の天気分布図を捜し出し,それに対応した現在の総観天気図中の寒帯前線位置を採用するという方法をとった.6月から9月まで,寒帯前線帯の位置の推移を調べた結果,冷涼な年代である1825~1840年はそれ以前の1815~1824年に比べて,盛夏期へ入る際の前線帯の北上の時期が遅れていた.また,8月にも前線の南下が数度あり,9月においては寒帯前線が南偏することが多かった.これらの寒帯前線によって,東アジアの湿潤域は,1825~1840年には華中と日本に出現することが多かった.