著者
原 真志
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.701-722, 1994-10
被引用文献数
4

都市化した住宅地域で,旧村落時代からの祭り運営が残る大阪府堺市百舌鳥梅北町5丁を対象地域に,自治会加入全世帯についての自治会関連組織に関する行動の分析,および個人単位での社会ネットワーク・社会空間の分析を行ない,地域社会特性と住民の定着の相互関係について考察した.年齢別,性別に分化した自治会関連組織は年齢の両端に位置する子供会・老人会が空間的には限定的であるが幅広い世帯属性を包摂しているのに対し,中間の青年団・秋月会はその逆である.この重層的包摂構造が住民の定着に影響を与えており,早くから社会空間を認知し組織に参加することで自治会全域という地域社会スケールでの定着がうながされる「地域社会型定着過程」と,若い間は組織に参加せず隣組およびその周辺という近隣スケールでの定着がまず進行し,後に社会空間を認知し定着範囲が広がる「近隣型定着過程」という2つの定着過程が生じていると考えられる.

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