- 著者
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福田 ひとみ
木村 智恵
杉本 智美
入谷 信子
- 出版者
- 一般社団法人日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.2, pp.172-179, 2002-05-20
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
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3
トリアシルグリセロール(TG)とジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油を用いて調理し,官能検査を行なった。さらに揚げ油の化学的性状変化を測定した。(1) 天ぷら,フライ,鶏の唐揚げ,フレンチドレッシング,クッキーにおいてはTG油の方がDG油より評価が高かった。(2) DG油の酸価は,加熱前TG油よりかなり高かったが,揚げ物による加熱でさらに大きく上昇した。カルボニル価,動粘度は加熱時間と共に上昇したが,いずれもDG油の値が高かった。過酸化物価,ヨウ素価は両油で差がなかった。着色はTG油よりDG油の方が速く,強く着色した。(3) DG油にはトコフェロールが添加されているため総トコフェロール値が高かったが,加熱により大きく低下した。以上の結果より,TG油とDG油を使用した調理の官能検査はTG油の方が好まれた。また,揚げ油に用いたとき,化学的性状の変化はTG油の方が小さく,劣化は小さかった。