著者
福田 ひとみ 小宮 ますみ 安田 弘子 入谷 信子
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.69-72, 1997-02-10

合成飼料の基本食にキャベツ, ニンジン, ダイコンを"生", "ゆで", "おろし"として添加し, ラットに2週間投与した。その結果, キャベツやニンジンなどの野菜の摂取により血漿, 肝臓中のChol低下作用は認められなかったが, キャベツやニンジンの投与で一連の脂肪酸合成系酵素の活性が低下し, 肝臓TGもまた低下した。そして, これらの低下作用は"生"で効果的であった。ダイコンではその低下作用が認められなかった。その機構は未解決であるが, 野菜の摂取と同時にその調理方法もまた脂質低下作用に影響することが示唆された。
著者
福田 ひとみ 木村 智恵 杉本 智美 入谷 信子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.172-179, 2002-05-20
参考文献数
20
被引用文献数
3

トリアシルグリセロール(TG)とジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油を用いて調理し,官能検査を行なった。さらに揚げ油の化学的性状変化を測定した。(1) 天ぷら,フライ,鶏の唐揚げ,フレンチドレッシング,クッキーにおいてはTG油の方がDG油より評価が高かった。(2) DG油の酸価は,加熱前TG油よりかなり高かったが,揚げ物による加熱でさらに大きく上昇した。カルボニル価,動粘度は加熱時間と共に上昇したが,いずれもDG油の値が高かった。過酸化物価,ヨウ素価は両油で差がなかった。着色はTG油よりDG油の方が速く,強く着色した。(3) DG油にはトコフェロールが添加されているため総トコフェロール値が高かったが,加熱により大きく低下した。以上の結果より,TG油とDG油を使用した調理の官能検査はTG油の方が好まれた。また,揚げ油に用いたとき,化学的性状の変化はTG油の方が小さく,劣化は小さかった。