- 著者
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大喜多 祥子
山田 光江
- 出版者
- 一般社団法人日本調理科学会
- 雑誌
- 調理科学 (ISSN:09105360)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.3, pp.214-232, 1980-10-30
- 被引用文献数
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1
家庭用ガスオーブンの予備加熱の必要性について,イースト醗酵の食パンやロールパンと,天板に直接薄く並べて焼き上げるクッキー類について,パン切片を用いたこげ方の基礎実験も含めて検討した結果,1.食パンでは同じ焙焼時間で,ロールパンではやや長いめの時間で,予備加熱なしは予備加熱ありと形や味など総合的に差なく焼き上る。2.パン切片を焙焼した結果,予備加熱は焙焼の温度や時間によって影響があったりなかったりする。3.クッキー類は高速オーブンでは同じ時間で,普通オーブンでは時間を少し長くするだけで差のないものが得られた。特に薄く焼き上げたいラングドシャは予備加熱なしの方が好ましい製品が得られる。4.ガス使用量からみても予備加熱なしの方が少ないガス量ですんだ。以上より,前報のケーキ,シューに加えてパン類やクッキー類でも,予備加熱は必ずしも必要とは言えなかった。但しパン切片の焙焼実験から,より高温短時間加熱のものの場合や,ラングドシャの結果から逆に形がかわらないうちに焼き固めねばならないものの場合などについては,予備加熱を考慮する必要があることが示唆された。