- 著者
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鷲見 裕子
伊藤 秀夫
- 出版者
- 一般社団法人日本調理科学会
- 雑誌
- 調理科学 (ISSN:09105360)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.1, pp.32-39, 1993-02-20
スポンジケーキに果糖を用いた場合の特性や嗜好性を検討し、さらにその改善を試み、次のような結果を得た。1.果糖を用いて鶏卵を起泡させた場合、ショ糖に比べて起泡力は良いが、安定性は悪くなった。2.果糖を0〜100%置換した場合、10%程度では膨化状態、テクスチャーを良くしているが、置換量が増加するに従い、膨化率が小さく、色調は焼色が濃く、赤色傾向が強くなり、テクスチャーも損なわれ、嗜好性が劣った。3.果糖100%使用したケーキは次の方法によりその欠点を改善し、ショ糖ケーキに近付けることができた。1)網を重ねた天板を用い、途中でアルミホイルを上面にかけて伝熱を緩慢にする。2)B.P.を1%添加する。3)薄力粉の10%をコーンスターチに置換する。4.改善された果糖ケーキの官能検査では、コーンスターチ10%置換ケーキの色が有意に好まれないが、硬さ、しっとりさは改善ケーキが有意に好まれ、きめ、焼色、香り、口当たり、甘さ、後味、総合評価ではショ糖ケーキとの有意差は認められなかった。