著者
綿貫 亜紀 原 安夫 新井 映子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.352-359, 2004-11-20
参考文献数
25
被引用文献数
4

水道水を弱電解処理して得られる電解生成水(酸性電解水およびアルカリ性電解水)と水道水を使用して,超微細米粉を原料とする米粉パンを調製した.官能検査および機器測定によるパンの特性評価を通して,米粉パンヘの電解生成水の利用の可能性を検討した.酸性電解水およびアルカリ性電解氷を使用すると,水道水を使用した場合よりいずれもパンの膨化性が向上して比容積が増加し,クラムは軟化した.これらの改変効果は,官能検査においても確認された.酸性電解水による膨化性の向上はタンパク質の溶解性の変化,アルカリ性電解水による膨化性の向上はでんぶんの糊化特性の変化によることが示唆された.砂糖を20%減量してパンを調製した場合にも,酸性電解水およびアルカリ性電解水による改変効果は確認された.また,酸性電解水の使用は,クラストの着色を促進した.以上の結果より,電解生成水の使用は米粉パンの特性改変に有効であり,添加する砂糖の減量も可能であることから、米粉パンの品質向上に寄与できると結論した.

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