- 著者
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大家 千恵子
高橋 節子
- 出版者
- 一般社団法人日本調理科学会
- 雑誌
- 調理科学 (ISSN:09105360)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.4, pp.362-370, 1987-12-20
- 被引用文献数
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サゴ澱粉を用いてマフィンとパンを調製し、その調理特性を機器測定により検討するとともに、官能評価を行いその利用特性をみた。以上結果を要約すると次のようである。1. 各種澱粉にバイタルグルテンを10%添加してマフィンを調製した場合、サゴ澱粉マフィンは官能検査の結果から口あたりがよく、弾力にとみ、きめの均一な製品が得られることが明らかとなった。2. 強力粉に各種澱粉を30%添加しさらにバイタルグルテンを10%添加して調製した合成パンの場合、サゴ澱粉を用いた合成パンはコントロールおよび他の澱粉パンに比べて、膨化が良く弾力があり、すだちの良い製品が得られた。3. 各種澱粉にバイタルグルテンを36%添加してパンを調製した場合、サゴ澱粉を用いたパンはコントロールに比べて、凝集性および弾力性が大きく、軟らかさのあるパンが得られた。さらに官能検査の結果からこのパンの特徴はコントロールに比べて膨化がよく、とうもろこしや馬鈴薯澱粉を用いたパンに比べて外観、弾力、軟らかさ、総合評価の点で有意に好まれる傾向を示した。このようにサゴ澱粉を膨化品のマフィンやパンにも利用でき、きめの均一な膨化がよいなどの製品を得られることが明らかとなった。