著者
奥田 和子 林 香枝
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.24-30, 1997-02-20

市販の4種類の菜箸-長さの長短,箸頭の紐の有無,箸先の滑り止め加工の有無,金属製と木製-を用いて実際に調理を行いながら,両箸の機能性を10ないし11項目について評点比較した結果,次のことが判明した。1) 長(33cm)短(30cm)の箸の比較を,茹で卵,茹でそうめん,卵焼き,たまねぎ妙め,フライドポテトの調理で行った。前3者では,長い箸の評点は短い箸の評点3に比べて有意に低く,短い箸の方が使い易かった。一方,たまねぎ妙めの調理では「妙めやすさ」「油の手に飛び具合」「手の熱くなり具合」の3項目で長い箸の評点はそれぞれ3.24,3.74,3.94であり長い箸は有意に使い易かったが,その他の項目では,短い箸の方が有意に使い易かった。フライドポテトを揚げる調理では「揚げ易さ」「油の手に飛び具合」「手の熱くなり具合」の3項目で長い箸の評点はそれぞれ3.59,3.76,3191で長い箸は有意に使い易かったが,その他の項目では短い箸の方が有意に使い易かった。2)紐の有無による差を茹でそうめんの調理で比較した結果,紐の付いた箸の評点は2.33から2.76で,紐のない箸の評点3に比べて有意に使いにくかった。3)滑り止めの有無による差を茹でそうめんの調理で比較した結果,箸の持ち易さでは両者に差がなかったが,その他の項目では滑り止めの付いた箸の評点は3.24から4.19で,滑り止めのない箸の評点3に比べて有意に使い易かった。4)金属製と竹製をフライドポテトを揚げる調理で比較した結果,「油の手に飛び具合」と「手の熱くなり具合」では金属製の箸は3.31,3.22で竹製の3より良好であったが,その他の項目では,金属製の箸の評点は1.66から2.40で竹製の箸の評点3に比べて有意に使いにくかった。5)妙める,揚げるといった調理操作中には長い箸33cmの方が望ましいが,それ以外の調理では短い箸30cmで紐がなく,滑り止めの加工を施した箸の方が使いやすいことが判明した。

言及状況

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吊り下げて乾燥させやすいようにと、片方がなくならないようにということらしいです。普通の箸と違って調理器具ですから、菜箸で混ぜたものは食卓についた全員が口にすることになりますので、乾燥して清潔を保つようになっているのでは。 菜箸の下のほうを持つと、箸の上部が大きく開くことになるので紐が引っ張られて混ぜにくいですが、上のほうを持つようにすると、2本の箸の上部があまり離れないので、紐もさほど邪魔に ...

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こんな論文どうですか? 「菜箸」の調理機能性と使いわけ(奥田 和子ほか),1997 http://t.co/zheZAJmzaa 市販の4種類の菜箸-長さの長短,箸頭の紐の有無,箸先の滑り止め加工…
なるほど http://t.co/P0D8sMmE0j
こんな論文どうですか? 「菜箸」の調理機能性と使いわけ(奥田 和子ほか),1997 http://t.co/zheZAJmzaa 市販の4種類の菜箸-長さの長短,箸頭の紐の有無,箸先の滑り止め加工…

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