- 著者
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木俣 昇
- 出版者
- 公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
- 雑誌
- Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.1, pp.59-87, 1987-03
- 被引用文献数
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われわれは、大震時避難計画のための情報システムとして、浜田らの経験的な延焼速度式に基礎を置く火災の延焼シミュレーション・システムの開発を行ってきた。このシステムは、メッシュ型の視覚的なシミュレーションであり、同時出火を取り扱うことができる。本論文では、このシステムの計画情報システムとしての検証を行っている。まず第一に、その実火災に対する再現性の検討を行い、福光大火の場合にも、酒田大火の場合にも、延焼の形状、延焼の速度ともに比較的良好な再現在を示すことを明らかにしている。第二に、本システムの出力を規定している要因の影響について検討している。要因としては、WD(風向)、WV(風速)、R(建ペイ率)。P(本造建物混成比)、β(防火木造率)、およびM(メッシュ・マップ)の6個とし、それぞれに2水準を設定し、直交表L_<16>(2^<15>)によるシミュレーション実験を実施し、分散分析を行っている。そして、木造建物混成比が最も重要な要因で、その寄与率は48。5%で、第二にはメッシュ・マップがきて、その寄与率は41。6%となっていること、風速は第三位の要因で、6。1%の寄与率をもつが、しかし、5%の水準でのみ有意となっていること、風向、建ペイ率、防火木造率は、5%水準でも有意とはなっていないことを明らかにしている。