著者
北條 暉幸
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.433-436, 1984
被引用文献数
1

筆者は, 解剖学教育の立場から, 若干の日本解剖学用語の検討を行った. 日本解剖学用語は杉田玄白以来200年を超える伝統をもち, 現在では漢字が用いられるだけでなく, カタカナも用いられ, さらに近年は簡略化した漢字も使われるようになっている. 〓骨の〓, 鼡径管の鼡がその例で, 鼡径管はラテン語解剖学名の翻訳ではなく含蓄の深い学名であると考えられる. 解剖学用語の下腿にスネをあてることは誤りで, 下腿前部に脛(〓), スネをあて, ハギも追加するようにし, さらに下腿後部に腓腹, フクラハギをあて, これにコムラを追加することを提唱した. さらに, 日本解剖学用語として, 鼠蹊管の場合, 鼠の代りに鼡, 蹊の代りに径などの新しい字体を採用していることを一般に周知徹底し, さらに辞書類の改訂を求めることを提唱した. なお, 日本解剖学用語としては, 脛に〓, 鼠に鼡の字体を用いることを強制してはいない.<br>(〓=つきへん+又+土)

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@annona_ceae 脛は下記の文献の通り学会が採用するほどだけど、膵は脺と書く方が珍しいと思う https://t.co/CbsW3kPHtx
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