著者
岡田 禎人 鈴木 勝一 中山 隆 渡辺 治
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1930-1933, 2004-12-01
被引用文献数
3

症例は54歳の女性で,下腹部痛を主訴に来院した.下腹部に腫瘤を認め皮膚が一部自壊し便汁が流出していた.また尿中にも便が混じっていた.腹部CTでは骨盤内の腫瘤と前腹壁に膿瘍腔を認めた.注腸ではS状結腸からガストログラフィンが腹腔内に流出していた.また膀胱鏡では膀院内に便汁を認めた.患者は20年以上子宮内避妊具(intrauterine contraceotivedevice;以下,IUD)を装着していた.IUDを除去する際に行った子宮内スメアでは放線菌塊を認めたため,IUDの長期装着に伴い子宮骨盤放線菌症を来たし,これがS状結腸,膀胱,腹壁に進展し瘻孔を形成したものと診断した.絶食,抗生剤投与を行ったが改善が見られなかったため,手術により痩孔の切除と膿瘍のドレナージを行った.術後経過は良好で,腹壁の膿瘍は消失した.術後7か月の現在再発を認めていない.

言及状況

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こんな論文どうですか? 子宮内避妊器具の長期装着から腹部放線菌症を発症しS状結腸瘻,膀胱瘻,腹壁膿瘍をきたした1例(岡田 禎人ほか),2004 http://id.CiNii.jp/Fq1xL

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