- 著者
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岡田 禎人
鈴木 勝一
中山 隆
渡辺 治
- 出版者
- 一般社団法人 日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.12, pp.1930-1933, 2004 (Released:2011-06-08)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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症例は54歳の女性で, 下腹部痛を主訴に来院した. 下腹部に腫瘤を認め皮膚が一部自壊し便汁が流出していた. また尿中にも便が混じっていた. 腹部CTでは骨盤内の腫瘤と前腹壁に膿瘍腔を認めた. 注腸ではS状結腸からガストログラフィンが腹腔内に流出していた. また膀胱鏡では膀胱内に便汁を認めた. 患者は20年以上子宮内避妊具 (intrauterine contraceptive device; 以下, IUD) を装着していた. IUDを除去する際に行った子宮内スメアでは放線菌塊を認めたため, IUDの長期装着に伴い子宮骨盤放線菌症を来たし, これがS状結腸, 膀胱, 腹壁に進展し瘻孔を形成したものと診断した. 絶食, 抗生剤投与を行ったが改善が見られなかったため, 手術により瘻孔の切除と膿瘍のドレナージを行った. 術後経過は良好で, 腹壁の膿瘍は消失した. 術後7か月の現在再発を認めていない.