著者
平岩 馨邦 徳田 御稔 内田 照章 吉田 博一
出版者
九州大學農學部
雑誌
九州大学農学部学芸雑誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, 1957-03
被引用文献数
1

昭和28年から31年にかけて九州各地で主にハジキワナによる"野鼠"の採集を行つた. これらの結果の大要は次のようである. 1) これまで九州で採集されたアカネズミ, ヒメネズミ, カヤネズミ, ハタネズミおよびスミスネズミの5種を今回の調査で再び確認することができた. 2) これらの野鼠の中, アカネズミが最も優勢であり, ヒメネズミがこれに次ぎ, この両種が野鼠の大半を占めて広く九州一円に分布していることがわかつた. 3) スミスネズミはヒメネズミについで多く, 600m以上の高地でのみ採集された. 4) ハタネズミは鳥栖・福岡の低地で採集されたのみであるが, 集団的にかなり棲息することが考えられる. 5) カヤネズミも局所的にはかなり集つて棲息しているが一般には少い.

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