著者
海妻 矩彦 平 宏和 平 春枝 福井 重郎
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.81-87, 1974-04-30
被引用文献数
2

大豆たんぱく質の含硫アミノ酸含量に関する品種間差異をしらべ,その遺伝的性質を明らかにする目的で,1968年と1969年に岩手大学農学部において栽培された55品種を材料とし,たんぱく質含量(マクロ・ケルダール法,N×6.25)および含硫アミノ酸含量の分析(マイクロバイオアツセイ法)を行なった。得られた主要な結果は次のとおりである。1)品種間にみられた変異の巾は,たんぱく質含量で49.1〜34.8%,メチオニン含量で0.96〜0.67g/16gN,シスチン含量で1.22〜0.62g/16gN,合計の含硫アミノ酸含量で2.15〜1.29g/16gNであり,変異係数は,それぞれ,6.2,7.2,14.2,10.0%であった。含硫アミノ酸含量の品種間差異の大きさは,たんぱく質含量のそれと同程度か,もしくは,それ以上の大きさとみられる。2)遺伝力は,たんぱく質含量,メチオニン含量,シスチン含量および合計の含硫アミノ酸含量に関し,それぞれ,58.8,55.1,66.8,66.6%であり,含硫アミノ酸含量の遺伝力は,たんぱく質含量のそれと同等もしくはそれ以上に高い値を示した。3)小袖振,極早生枝豆,極早生はやぶさ,3号早生大豆,Laredoは含硫アミノ酸含量が高く,交配母本として有用である。また,晩生黒大豆や平豆は含量が低く,育種学的研究の材料として興味深い。

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外部データベース (DOI)

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こんな論文どうですか? 大豆(Glycine max Merrill)における蛋白質含量・含硫アミノ酸含量の品種間差異および遺伝力について(海妻矩彦ほか),1974 http://id.CiNii.jp/Hkh2L

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