著者
本田 秀夫 平井 篤志
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.339-348, 1990-09-01
被引用文献数
14

細胞融合は,交配不可能な異種植物間における遺伝子の導入を可能とし,育種上重要な手段を提供している.この際,体細胞雑種の同定,選抜は不可欠のステップであり,アイソザイムパターンの解析をはじめ,様々な方法が用いられている.しかし,それらの多くは,比較的多量のサンプルを必要とすること,特定の種の組み合わせに限られること,あるいは,取扱い上の困難さなどから必ずしも有効ではなかった.そこで,種特異的な塩基配列を持つrRNA遺伝子(rDNA)に渚目し,UCHIMIYAらの方法を基により簡便で能率的な方法を開発を試みた. Brassica, LycopersiconおよびNicotinaに属する植物を材料として用いた.まず,DELLAP0RTAの方法を改良してより微量の葉(100mg)から全DNAを抽出した.この抽出法は,細胞磨砕液からタンパク質や多糖類を酢酸カリウムにより除去し,さらにイソプロパノールによりDNAを特異的に沈澱させるものである.操作は簡単で,塩化セシウムによる超遠心のような複雑な操作は不要であつ,短時間で済み,収量も良く,得られたDNAは制限酵素で切断することが出来た.次に,抽出したDNAの1/50量(葉2mgからのDNAに相当)を適当な制限酵素で3時間処理し,0.7%アガロースゲルで電気泳動を行った.キャベツ,コマツナおよびその体細胞雑種の泳動パターンに示したように(Fig.1a),完全に切断された場合,EtBrで染色したDNAはほぼ均一なsmear bandsとなって現われた.DNAをナイロンメンブレントにトランスファーした後,クローン化されたイネのrDNAを非放射性のdigoxigeninでラベルしたものをプローブとして,バイブリダイゼーションを行った(Fig. 1b).その結果雑種植物は融合親特有のバンドを併せて有することにより,体細胞雑種としての同定が可能だった.トマト栽培種と野生種の組み合わせにおいても同様に同定できた(Fig. 2).

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